公認心理師 2024-50

特別支援教育コーディネーターに関する問題です。

特別支援教育コーディネーターが、校務分掌の一つであることを理解していることが重要です。

問50 特別支援教育コーディネーターについて、不適切なものを1つ選べ。
① 保護者の相談窓口になる。
② 教育委員会によって指名される。
③ 校外の関係機関との連絡調整を行う。
④ 発達障害の知識を深めるための校内研修を企画・実施する。

選択肢の解説

① 保護者の相談窓口になる。
② 教育委員会によって指名される。
③ 校外の関係機関との連絡調整を行う。
④ 発達障害の知識を深めるための校内研修を企画・実施する。

まずは文部科学省の通知「特別支援教育の推進について」の中身を見ていきましょう。

通知内の「3.特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取組」の「(3) 特別支援教育コーディネーターの指名」に記載が以下の通りあります。


各学校の校長は、特別支援教育のコーディネーター的な役割を担う教員を「特別支援教育コーディネーター」に指名し、校務分掌に明確に位置付けること。

特別支援教育コーディネーターは、各学校における特別支援教育の推進のため、主に、校内委員会・校内研修の企画・運営、関係諸機関・学校との連絡・調整、保護者からの相談窓口などの役割を担うこと。

また、校長は、特別支援教育コーディネーターが、学校において組織的に機能するよう努めること。


このように、本選択肢で示されている「保護者の相談窓口になる」「校外の関係機関との連絡調整を行う」「発達障害の知識を深めるための校内研修を企画・実施する」ということが役割として挙げられていますね。

また、文部科学省のこちらのサイトでも、以下のような役割が示されています。


具体的な役割として、小・中学校の特別支援教育コーディネーターは、(1)学校内の関係者や関係機関との連絡・調整、及び、(2)保護者に対する学校の窓口として機能することが期待される。一方、盲・聾・養護学校の特別支援教育コーディネーターは、これらに地域支援の機能として、(3)小・中学校等への支援が加わることを踏まえ、(4)地域内の特別支援教育の核として関係機関とのより密接な連絡調整が期待される。


こちらからも「保護者の相談窓口になる」「校外の関係機関との連絡調整を行う」といった役割が示されていることがわかります。

また、上記でも述べられている通り、「各学校の校長は、特別支援教育のコーディネーター的な役割を担う教員を「特別支援教育コーディネーター」に指名し、校務分掌に明確に位置付けること」とされています。

特別支援教育コーディネーターはあくまでも学校の校務分掌の一つになりますから、各学校の校長が指名することになるわけで、選択肢にある「教育委員会によって指名される」というのは間違っているわけですね。

特別支援教育コーディネーターは、校内や福祉、医療等の関係機関との間の連絡調整役として、あるいは、保護者に対する学校の窓口として、校内の関係者や関係機関との連携協力の強化を図る役割ですから、あくまでも校内の人間が指名されるということであり、校内人事は学校長が指名するということになります。

以上より、選択肢①、選択肢③および選択肢④は適切と判断でき、除外することになります。

また、選択肢②が不適切と判断でき、こちらを選択することになります。

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