もうすぐ北海道追加試験の発表がありますね。
それが終われば次年度が目の前です。
私は昨年の今ぐらいから勉強の準備を始めていました。
基本的な勉強法
勉強法は人それぞれですが、私が行ってきた勉強法は以下の通りです。
- ブループリントの小項目を自分なりに説明できるように調べる。
- できる限り複数の資料で調べる。
- アウトプットの機会を作る。
上記の項目1についてですが、私は一つの教科書を最初から最後まで読むなどのやり方は採用しませんでした。
過去のさまざまな試験の経験から、そういったやり方は向かないことがわかっていたからです。
それよりも問題形式か、一つひとつ調べて自分のものにしていく方が好きでした。
項目2ですが、ある概念でも教科書によっては表現が若干違いますが、同時に共通項も見出すことができるのでそれが重要なポイントかなと考えています。
気をつけていたのが「単純な表現で覚えない」ということです。
単純化したら覚えやすいのですが、実際に出題されるときには難しい表現であることがほとんどですから、対応がしにくいと考えました。
項目3ですが、インプットとアウトプットはセットになっていた方が覚えやすいと思います。
仲間同士でもよいですし、意外とカウンセリング中に使える知識もありました。
経験があることで固くなることも少なくないので、それを防ぐためにもアウトプットは大切です。
勉強のスケジュール
2018年1月~3月
先日公開した公認心理師の分類表の原型ですね。
この際、自分なりにブループリントをまとめ直しました。
例えば、法律は法律だけで覚えるのではなく、医療領域の分野と併せて覚えることにしました。
他にも統計領域はブループリントの項目がゴチャゴチャだったので、かなり修正しました。
仲間に勉強会の誘いをして、大学院の後輩たちにも広げました。
勉強会のペースは2週間に1回くらいにしました。
少しずつ、勉強会の資料をつくりがてら勉強を開始しました。
プライベートでは、引っ越しが決まっていたのでその準備と、仲の良い方々と飲み歩いていました。
4月~5月
勉強会で以下の項目を実施しました。
- 公認心理師としての職責の自覚
- 問題解決能力と生涯学習
- 多職種連携・地域連携
- 心理学・臨床心理学の全体像
- 知覚及び認知
- 学習及び言語
- 感情及び人格
- 精神疾患とその治療
- 産業・組織に関する心理学+公認心理師に関係する制度
分担担当もあったり、近隣の臨床心理士会の中から詳しい先生を招聘して講義してもらうこともありました。
私個人で担当した会も結構多く、1つの領域の講義で大体40~100枚のスライドになっていました。
やり残しが無いようにスライドを作ることで、自宅でみんなが勉強するための資料になればよいと考えていました。
2%の出題範囲に対してスライド100枚というのはちょっと非効率的かなとも思いましたが、やり残しをつくることを良しとしませんでした。
やり残しや「捨て」を作ってしまうと、試験本番でわからない問題があった時に「やっていないところから出たのかもしれない」「他の人はわかっているのかも」などと余計な不安が高まってくると考えたからです。
この頃は、黙々とブループリントの項目を解いていましたね。
(ずっとそうですけど)
引っ越しをして新しい職場で勤務がスタートしました。
場所が変わってもやることは同じなので、その辺はそれほど苦にはなりませんでした。
しかし、仕事が終わってから資格試験の勉強と、勉強会の資料を作るのは大変だったな、と記憶しています。
6月~7月
勉強会で以下の項目を実施しました。
- 脳・神経の働き
- 健康・医療に関する心理学+公認心理師に関係する制度
- 発達
- 障害者(児)の心理学
- 福祉に関する心理学+公認心理師に関係する制度
- 心理学における研究
- 心理学に関する実験
- 社会及び集団に関する心理学
同じように40枚~100枚超のスライドで講義を行っていました。
ちなみに1回の講義は2時間くらいです。
それでもすべて説明できないところも多く、「残りはスライドを見といてください」という回も多かったです。
「心理学における研究」「心理学に関する実験」については、臨床心理士資格試験の内容を中心に解説を行いました。
(これはあまり出ませんでした。残念)
4月から開始して3か月くらいが経った時期になります。
何かを始めて3か月という時期は、かなり疲れがたまりやすくモチベーションが下がりがちです。
下がるものは下がるので、下がるだろうということを事前に予測しながら4月からの勉強のスケジュールを立てることが重要だと思いますし、そのようにしていました。
この頃(だったと思う)、教え子がファイブアカデミー、コムニタス、河合塾の模擬試験を見せてくれました。
実践形式が好きだったので、間違えた問題の解説を自分で作っていました。
(上記の模擬試験に付属されていた解説は、私にとっては不十分でした。それが悪いというわけではありません。納得するかどうかの範囲は人それぞれです)
この間違えた問題の解説は、後にブログにアップしています。
この中から出た問題もあったので、その辺はラッキーでした。
8月
8月中旬までに残りの全範囲の勉強会を終えました。
この期間に臨床系の範囲を全てやりました。
臨床系の範囲では、臨床心理士資格試験の内容をまとめ、講義しました。
(ブログ内で「臨床心理士資格試験で出た内容」という表記をしてある箇所です。例えば、こちら)
まったく同じ選択肢が出題されるなど、やはり臨床系の問題は臨床心理士資格試験が大切だなと感じます。
勉強会が終わってアウトプットする機会が減ったので、この「公認心理師・臨床心理士の勉強会」のブログをはじめました。
だいたい6月くらいから実践形式の問題の作成に取り掛かり、8月末には、先日公開した確認テストを実施しました。
臨床心理士が150分で100問でしたから、おそらく公認心理師は午前75問+午後75問くらいかなと思っていました。
しかし、一番困難な状況を想定して、午前100問+午後100問の確認テストにしました。
試験はスタミナが大切です。
本番になって「考える」ということはしません。
本番は自分の身体に入っているものを「出す」だけです。
ちなみに確認テストの内容は、4月からの勉強会の講義内容を中心にしました。
8月頭だったと思いますが、「新・臨床心理士になるために」が刊行され、臨床心理士資格試験の昨年度の問題が発表されました。
私がこれに取り掛かったのが8月後半で、間違えた問題をブログにアップしました。
各社の模擬試験や臨床心理士資格試験の間違えた箇所に関する記事だけで80を超えているので、けっこう間違ったなーと振り返って思います。
私はSCが中心の勤務なので8月は比較的空いていました。
8月までは勉強会の資料を作ることでインプットしてきましたが、覚える意思をもって勉強し始めたのがこの頃からです。
9月~11月
9日に試験がありました。
事前にHBの鉛筆を購入したり、試験会場近くで子どもを預けられる託児所を手配したりしました(妻も受験しましたので)。
子どもが熱を出さなかったのは本当にラッキーでした(それだけでありがとうと言いたい。実際に言いました)。
試験後は当日からせっせと解説をブログにアップし始めました。
間違えた問題の解説をする時は、ちょっと身体が重たい感じがしたのを覚えています。
あとはいつも通りに仕事をこなしながら、結果発表の日を待ちました。
発表の日はホームページにつながりにくかったので、時間をおいてから見ればいいやと思っていたら後輩が結果のPDFファイルを送ってくれました。
自分と妻の番号があるのを確認して、妻に連絡しました。
振り返って
私が公認心理師資格試験に向けてやってきたのは「ブループリントの小項目を調べ、覚える」ということだけです。
ただし、私には臨床心理士資格試験の過去問を毎年解いてきたという経緯があり、その辺の蓄積は大きかったなと感じています。
勉強時間は子どもが寝てからの21時~24時くらいでした。
使った書籍など
最後に、私が使った書籍をご紹介していきます。
お勧めの参考書もありますが、出版社の回し者ではないのであしからず。
ここ1年の出版物の中には、これから受験する人たちの不安を煽って購買させようとしていると思しきタイトルもあり気持ちが良いものではなかったです。
ブループリントの小項目を調べるのに使ったものが大半です。
それぞれの書籍にコメントを添えておきましょう。
内容はかなりあっさりなので項目の確認というつもりで使っていました。
公認心理師必携テキスト
全ての範囲を網羅したという点で良いと思います。
しかし、一つひとつの項目の説明が物足りない気がします。
調べても出てこない内容についてこちらを引いて、そこから広げる形で勉強しました。
臨床心理士資格試験関連
臨床系の問題はこちらで把握するようにしていました。
検査や心理療法などの臨床領域の問題は、臨床心理士試験をやっておけば対応しやすいと思います。
そもそも心理学関連の知識を「試験」としてやっているのは、臨床心理士資格試験と心理学検定が代表的です。
ある概念をどのような形式で出題するのか、というところをしっかりと身につけることができると思います。
心理学検定基本キーワード
臨床心理士資格試験でカバーできない内容をこちらで補完していました。
説明も詳しく、基礎心理学の領域は特に良かったと思います。
有斐閣の「New Liberal Arts Selection」シリーズ
こちらの「心理学」「認知心理学」を主に活用していました。
有斐閣の出版物とは相性が良いのか、わかりやすいと感じます。
次の心理学辞典は特に好きです。
心理学辞典(有斐閣)
大学生の頃から、この辞典が私にとって一番わかりやすいものでした。
やはり馴染んだものが一番ですね。
基礎心理学系の知識は、まずこちらを引いて、出なかったら他の資料を見るようにしていました。
公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法
医療領域や認知行動系の知識の補完に使いました。
「必携」と言われると、なんかソワソワしますね。
DSM-5、ICD-10
こちらは間違いなく「必携」ですね。
医学的診断基準はキチンと把握しておきましょう。
推計学のすすめ
1968年初版のとっても古い本ですが、私の統計の知識はこちらが基盤であり、これを超えるものはそんなに頭に入っていません。
公認心理師試験 これ1冊で!最後の肢別ドリル
法律について細やかにまとめてくれています。
公認心理師法に関する内容は他を寄せ付けないほどです。
ドリル形式になっている出版物もそう多くはないので、取り組みやすい形だったのではないでしょうか。
公認心理師カリキュラム準拠 臨床神経心理学
脳・神経のいくつかの中項目の内容は、こちらで十分でした。
「公認心理師」という表現が使われている書籍ラッシュの中、資格取得後も使える数少ない1冊だと思います。
このシリーズ、どんどん刊行されているようですが、神経心理学しか受験当時は発売されていませんでした。
ヒルガードの心理学
「感情心理学」「言語心理学」「脳・神経」などの領域について、綺麗にまとまっています。
こちらも大学院受験くらいからお世話になっています。
公認心理師の基礎と実践シリーズ
知りたいことと書いてあることが重なると、とても役立つと思います。
しかし分量の関係か、限られた範囲のみの記載になっていることも多かったように感じます。
ネット関係:e-Gov
法律については、上記のサイトで調べていました。
きちんと法律を読むことが大切だと思います。