MAS、STAI、CMI、その他

質問紙法についてまとめて解説します。
まずは臨床心理士資格試験において正誤判断を求められたポイントを挙げていきます。
その上で、公認心理師試験に向けたところを赤字にしていきましょう。

公認心理師試験での出題は以下の通りです。

こうしてみると、臨床心理士資格試験の過去問をきちんと押さえておくことで、かなり公認心理師資格試験の対策になることが分かりますね。

適用年齢の把握を求めているように見えるので、そこは押さえておきたいですね。

MAS

  • Manifest Anxiety Scale(顕在性不安尺度)
  • 1953年にテイラーが、キャメロンの慢性不安反応に関する理論を基にMMPIから選出された不安尺度50項目に、妥当性尺度15項目を加えた65項目で構成・作成した。
  • 16歳以上が適応とされている。
  • 身体的不安・精神的不安を含めた各種不安の総合的な程度を測定できる不安のスクリーニングテスト。
  • 不安反応は本質的に、行動や生理的変化などを含め多面的に評価されるべきものであり、MASのような主観に頼る方法だけでは限界があるとされ、無意識的側面までカバーできる検査とのバッテリーが必要になる場合もある。
【2018-8①、2018-109①】

STAI

  • State-Trait Anxiety Inventory(状態ー特性不安検査)
  • スピルバーガー(Spielberger)が作成した検査で、状態不安と特性不安に分けているのが特徴。
  • 適用年齢は中学生以上。
  • 状態不安検査20項目、特性不安検査20項目で構成されている。
  • カットオフポイント(高不安群のライン)
     ◎特性不安:男性44点、女性45点以上
     ◎状態不安:男性41点、女性42点以上

【2018-137③】

CMI

  • Cornell Medical Index
  • 1949年にコーネル大学ブロードマン、アードマン、ヴオルフの3教授によって発表された健康調査票。
  • 14歳以上に適用可能。
  • CMI健康調査表は、幅広い身体的・精神的自覚症状を把握できる質問紙法。
  • 12区分の身体的項目と6区分の精神的項目についての質問から構成され、男性211項目、女性213項目。
  • 幅広い自覚症状に関する質問(精神科、内科・心療内科、外科・脳神経外科、整形外科、産婦人科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科、歯科)が含まれるので、臨床各科への応用が可能。
  • 精神医学では神経症、統合失調症、心身症に伴う不安の客観的な測定(スクリーニング)、またそれに対する心理療法の効果の測定において広く用いられている。記録用紙にある重症度評価段階基準に基づいて重症度がすぐに算出できる。
【2018-92②】

その他

ここでは上記以外の心理検査についてまとめていきます。
スクリーニングに用いられているものや、かなり古くからあるものも出題されているという印象ですね。

  • SDS:
    自己評価式の抑うつ尺度。
    適用年齢は15歳以上。
    40点未満で抑うつ性は乏しい、40点台で軽度抑うつ性、50点台で中度以上の抑うつ性とされている。
  • MPI:
    Maudsley Personality Inventory。
    Eysenckの考案による性格検査で、2次元(外向・内向、神経症的傾向)で性格類型を想定している。虚偽発見尺度が含まれている。
    神経症的傾向(N尺度)および外向性(E尺度)を測るための2つの尺度があり、それぞれの項目は24ずつで構成されている。
    このほかに虚偽発見尺度(L尺度:Lie Scale)20項目が含まれている。E・N・Lの3尺度の他にE及びN項目に似た項目12を加え、全体の項目数を80にしてある。MPIは約16歳以上の文字を読めるものであれば、だれにでも実施することができるとされている。
  • ITPA:
    Krikらによって作成された言語学習能力診断検査。
    適用年齢は3歳0ヶ月~9歳11ヶ月。
    視覚‐運動回路と聴覚‐言語回路から構成されている(知能・発達検査になるか?)。
  • GHQ:
    一般精神健康質問紙。
    適用年齢は12歳~成人。
    主として神経症者の症状把握、評価及び発見に有効とされる検査。
  • BDI:
    ベック抑うつ質問票。
    うつ状態の測度であり、うつの重症度を判断するには適切だが、それ以外の病理は難しい。
    DSM-IVの診断基準に沿って作成されており、過去2週間の状態についての21項目の質問によって抑うつ症状の重症度を評価する。
    うつ状態の測度であることから、適用年齢も13歳~80歳に設定されている。
  • CPI:
    カリフォルニア人格検査。
    役割取得理論を背景に多年の臨床活動から得た経験的手法によって、好ましい対人関係に有効な人格特性を設定し、充分な信頼性と妥当性の検討のもとに尺度化したものである。
    複数の側面から性格を把握する。ポジティブな性格の側面を取り上げる傾向にあるので、精神病理は直接は扱えない。
    人間の社会的行動や対人関係に広く適用できる。非行や犯罪など反社会的傾向のある人々の人格の把握にも極めて有効であるが、それだけでなく、中学・高校・大学・会社・官庁・諸施設・カウンセリングセンターなどにおいても広く汎用できる。
  • EPPS:
    マレーの社会的欲求の概念に基づいて作成された質問紙法性格検査。
    高校生用、成人用などがある。
    15の性格特性が評価され、動機や欲求を測定する、という独自のメリットを持つ。
    統計的な基礎研究に裏付けられ信頼性がある検査だとされる一方、同様の質問が225問続き、利用の際には疲労感が生じる可能性もある。先ほど質問されたような質問文がまた出され、それに答えなければならない。そのとき被検査者に沸き起こる違和感が、被検査者自身にどのように受けとめられるかが臨床的には重要となるだろう。

【2018-9③、2018-92①④】

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