いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義として、最も適切なものを1つ選ぶ問題です。
現在の定義だけでなく、いじめの定義がどのように推移してきたのか、どういう点が変更されてきたのかをきちんと理解しておけば解きやすい問題だと思います。
いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義を把握していること。
文部科学省が出しているいじめの定義の変遷を知っていると、選択肢の除外をしやすい。
こちらの問題については、文部科学省が出しているいじめの定義の変遷を見ていきましょう。
いじめとは、
であることを前提として、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているものを指しています。
なお、「起こった場所は学校の内外を問わないもの」とされています。
いじめとは、
であるとしています。
以前の定義との変更点として、「起こった場所は学校の内外を問わない」が追加されています。
また、「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと」という点も追加されています。
この年からいじめの定義が以下のように修正されています。
以前の文言から、「一方的に」「継続的に」「深刻な」といった文言が削除されています。
更に、「いじめられた児童生徒の立場に立って」「一定の人間関係のある者」「攻撃」等について、注釈を追加していますね。
同法第2条にいじめの定義が以下のようになされています。
「この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」
関連する内容として、同法第3条の基本理念が以下のように定められています。
この点からも、いじめが起こった場所が学校の内外を問うていないことがわかります。
これらの点を踏まえて、各選択肢を見ていきます。
こちらの選択肢の内容は昭和61年の定義が近く、しかも被害者側の苦痛感については全く触れていませんね。
この選択肢の問題点としては以下の通りです。
こちらの選択肢の内容は昭和61年および平成6年の定義に近くなっています。
この定義の問題点としては以下の通りです。
こちらの選択肢の内容は平成18年度の定義に近いものになっています。
こちらの定義の問題点としては以下の通りです。
こちらの選択肢の内容はいじめ防止対策推進法の定義になっています。
平成18年度の定義では、いじめの対象となる人間関係の枠組みを広げすぎていましたので、その点が修正されましたね。
また、「精神的」に限定せず「身体的」なものを含む内容となっています。
かなり被害者側に寄った定義と言えるでしょう。
それ自体は問題ないと思うのですが、現場ではなかなか難しいところがあります。
これは余談ですが、心理学的に見た「被害者」というのは、必ずと言って良いほど「自分が悪い」という感覚を持っています。
ですが、そういった感覚を法律の定義に含むことはできませんし、いじめを防ぐという大同のために小異を切り捨てざるを得ないのでしょう。
以上より、選択肢④が最も適切であると判断できます。
お世話になっております。「一定の人的関係のある他の児童等から」と、加害者の範囲が限定されています。最近の報道では、SNS等で知らない人から書き込みをされ、心理的に落ち込んだという例が紹介されています。これらは、いじめ防止対策推進法が想定するいじめではない、という理解でよろしいですか