公認心理師 2022-109

児童虐待防止法の内容に関する問題になっています。

全ての選択肢が子どもと係る内容になっていますから、それぞれの根拠法を押さえておくことが求められます。

問109 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉の内容として、正しいものを1つ選べ。
① 親権停止の要件
② 社会的養護の種類
③ 人身保護請求の要件
④ 児童虐待を行った保護者への罰則
⑤ 児童虐待に係る通告をした者を特定させるものの漏えい禁止

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公認心理師 2021-154

解答のポイント

児童虐待防止法で規定されている範囲を理解している。

選択肢の解説

① 親権停止の要件

親権停止の要件については、民法(民法834条の2第1項)に規定がなされています。

親権停止とは、家庭裁判所の審判によって親権を停止し、親権者と子どもを一時的に引き離す制度です。

また、同条の第2項において、親権停止の期間は最長2年と定められています。

それほど多くはないですから、関連する条項を抜き出しておきましょう。


(親権喪失の審判)
第八百三十四条 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。

(親権停止の審判)
第八百三十四条の二 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。

(管理権喪失の審判)
第八百三十五条 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。

(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し)
第八百三十六条 第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。

(親権又は管理権の辞任及び回復)
第八百三十七条 親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。
2 前項の事由が消滅したときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。


上記の通り、親権停止が認められるのは、「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」と定められており、「父又は母による親権の行使が困難」な時とは、親権者が罪を犯して服役中であるような場合、薬物中毒で本人の生活自体もままならないような場合、精神障害などで長期入院している場合などが当てはまります。

父又は母による親権の行使により「子の利益を害する」というのは、主として虐待や虐待に類似した状況ですね。

親権を取得した親は、子どもと一緒に暮らして世話をしながら養育します(親権を取得しなかった親も、親としての責任がなくなるわけではありません。親としての扶養義務は親権とは関係なく継続します。例えば、養育費の支払いの義務などですね)。

また、親権者とは別に監護権者を指定して、親権者に子の財産を管理したり子の代理人となることができるといった権利を残しつつ、親権者でないもう一方の親を監護権者として子どもと一緒に暮らし世話ができる権利を与えることもできます(民法766条1項)。

親権が停止されても、法的な親子関係や血縁関係が消滅してしまうわけではなく、子どもに対する扶養義務や、親が死んだ場合の子どもの相続権などは変わりません。

ただし、親権を停止された親権者は、停止された期間は、監護養育権を失うので子どもと一緒に住むこと、子どもの身の回りの世話などをすることができなくなります。

また、財産管理権も失う結果、子どもの財産を管理することもできなくなります。

ちなみに、親権停止と親権喪失は、いずれも子どもの福祉のために親の親権を制限する制度ですが、その大きな違いは、親権停止制度においては親権制限の期間が長くても2年間に限定されている点です。

一方、民法834条に規定されている親権喪失は、期限が特に設けられていません。

以前は、親権を制限する手段には親権喪失しかありませんでしたが、実の親から親権そのものを将来にわたって奪うことが子どもにとって本当に望ましいことなのか、現場で判断するのは難しいことです。

そのため、児童相談所などが子どもの救済の場面で行動しようとしても、親権喪失の手続きには二の足を踏むということがあったため、児童相談所の判断が遅れて、子どもの身体に危険が及んでしまったケースが発生するという事態になり、そうした経緯を踏まえて2012年に新たに規定されたのが親権停止の制度ということになります。

どちらかと言えば、子どもの救済や福祉的措置として活用されやすいのが親権停止という制度になると言えます(とは言え、一度でも停止されると、再び親権を戻そうとしない親もいるのも事実なので、この辺が難しいだろうなと思います)。

親権停止については、こちらのページがわかりやすかったです(参考にさせていただきました)。

以上より、選択肢①は児童虐待防止法ではなく民法の内容になりますから、誤りと判断できます。

② 社会的養護の種類

まず社会的養護の基本理念についてですが、こちらは以下に基づいています。

  • 児童福祉法第1条「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する」
  • 児童の権利に関する条約第3条「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする」

こうした基本理念のもと、社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものになります。

そして、社会的養護の原理としては以下が挙げられています。

  1. 家庭養育と個別化:すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者によって養育されるべき。「あたりまえの生活」を保障していくことが重要。
  2. 発達の保障と自立支援:未来の人生を作り出す基礎となるよう、子ども期の健全な心身の発達の保障を目指す。愛着関係や基本的な信頼関係の形成が重要。自立した社会生活に必要な基礎的な力を形成していく。
  3. 回復をめざした支援:虐待や分離体験などによる悪影響からの癒しや回復をめざした専門的ケアや心理的ケアが必要。安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻す。
  4. 家族との連携・協働:親と共に、親を支えながら、あるいは親に代わって、子どもの発達や養育を保障していく取り組み。
  5. 継続的支援と連携アプローチ:アフターケアまでの継続した支援と、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育。様々な社会的養護の担い手の連携により、トータルなプロセスを確保する。
  6. ライフサイクルを見通した支援:入所や委託を終えた後も長くかかわりを持ち続ける。虐待や貧困の世代間連鎖を断ち切っていけるような支援。

そして、こうした原理に基づいて行われる社会的養護は大きく「施設養護」と「家庭養護」という2つのレパートリーに分けられます。

施設養護に関する機関は以下の通りになります。

  1. 児童養護施設:児童福祉法第41条に規定
    児童養護施設は、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童に対し、安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、家庭環境の調整等を行いつつ養育を行い、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する機能をもちます。
    児童養護施設では、虐待を受けた子どもは53.4%、何らかの障害を持つ子どもが23.4%と増えていて、専門的なケアの必要性が増しています。
    また、入所児童の平均在籍期間は4.6年ですが、10年以上の在籍期間の児童が10.9%となっています。
  2. 乳児院:児童福祉法第37条に規定
    乳児院は、保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設です。乳幼児の基本的な養育機能に加え、被虐待児・病児・障害児などに対応できる専門的養育機能を持ちます。
    乳児院の在所期間は、半数が短期で、1か月未満が26%、6か月未満を含めると48%となっています。短期の利用は、子育て支援の役割であり、長期の在所では、乳幼児の養育のみならず、保護者支援、退所後のアフターケアを含む親子再統合支援の役割が重要となります。
    児童相談所の一時保護所は、乳児への対応ができない場合が多いことから、乳児については乳児院が児童相談所から一時保護委託を受け、アセスメントを含め、実質的に一時保護機能を担っています。
    また、乳児院は、地域の育児相談や、ショートステイ等の子育て支援機能を持っています。
  3. 情緒障害児短期治療施設:児童福祉法第43条の5に規定
    情緒障害児短期治療施設(情短施設)は、心理的・精神的問題を抱え日常生活の多岐にわたり支障をきたしている子どもたちに、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療を行います。施設内の分級など学校教育との緊密な連携を図りながら、総合的な治療・支援を行います。また併せて、その子どもの家族への支援を行います。比較的短期間(現在の平均在園期間2年4ヶ月)で治療し、家庭復帰や、里親・児童養護施設での養育につなぐ役割をもちます。また、通所部門を持ち、在宅通所での心理治療等の機能を持つ施設もあります。
    入所児は、被虐待児が75%を占め、広汎性発達障害の子どもが26%、軽度・中度の知的な課題を有する子どもが12.8%、児童精神科を受診している子どもが40%、薬物治療を行っている子どもが35%となっています。
    情短施設では、児童精神科等の医師に常時連絡がつき対応できる体制があり、また、心理療法担当職員の配置が厚く、アセスメント、コンサルテーション、心理療法やカウンセリングを行えます。
    仲間作りや集団生活が苦手で、様々な場面で主体的になれない子どもに、施設内での生活や遊び、行事を通じて、主体性を取り戻す手助けを行います。
  4. 児童自立支援施設:児童福祉法第44条に規定
    子どもの行動上の問題、特に非行問題を中心に対応する児童自立支援施設は、平成9年の児童福祉法改正により、「教護院」から名称を変更し、「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」も対象に加えました。通所、家庭環境の調整、地域支援、アフターケアなどの機能充実を図りつつ、非行ケースへの対応はもとより、他の施設では対応が難しくなったケースの受け皿としての役割を果たしています。
    児童自立支援施設は、職員である実夫婦とその家族が小舎に住み込み、家庭的な生活の中で入所児童に一貫性・継続性のある支援を行うという伝統的な小舎夫婦制や、小舎交代制という支援形態で展開してきた施設であり、小規模による家庭的なケアを一世紀以上にわたって実践してきました。
    また、専門性を有する職員を配置し、「枠のある生活」を基盤とする中で、子どもの健全で自主的な生活を志向しながら、規則の押しつけではなく、家庭的・福祉的なアプローチによって、個々の子どもの育ちなおしや立ち直り、社会的自立に向けた支援を実施しています。
  5. 母子生活支援施設:児童福祉法第38条に規定
    母子生活支援施設は、従来は、生活に困窮する母子家庭に住む場所を提供する施設であり、「母子寮」の名称でしたが、平成9年の児童福祉法改正で、施設の目的に「入所者の自立の促進のためにその生活を支援すること」を追加し、名称も変更されました。
    近年では、DV被害者(入所理由が夫等の暴力)が入所者の54%を占め、虐待を受けた児童が入所児童の41%を占めています。また、精神障害や知的障害のある母や、発達障害など障害のある子どもも増加しています。「母子が一緒に生活しつつ、共に支援を受けることができる唯一の児童福祉施設」という特性を活かし、保護と自立支援の機能の充実が求められています。
    利用者の就労収入は、母子家庭の中でもさらに低く、平均収入は120万円にすぎません。母子生活支援施設は、貧困母子世帯への支援を担っています。
  6. 自立援助ホーム:児童福祉法第6条の2第1項および第33条の6に規定
    自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)は、義務教育を終了した20歳未満の児童であって、児童養護施設等を退所したもの又はその他の都道府県知事が必要と認めたものに対し、これらの者が共同生活を営む住居(自立援助ホーム)において、相談その他の日常生活上の援助、生活指導、就業の支援等を行う事業です。
  7. 児童家庭支援センター:児童福祉法第44条の2に規定
    児童家庭支援センターは、平成9年の児童福祉法改正で制度化され、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じるとともに、児童相談所からの委託を受けた児童及びその家庭への指導、その他の援助を総合的に行います。平成20年の児童福祉法改正で、市町村の求めに応じ、技術的助言その他必要な援助を行うことも業務に加えられました。
    多くは児童養護施設等の施設に附置されていて、施設が地域支援を行う機能を果たしていますが、平成20年の児童福祉法改正で、単独設置も可能となりました。また、平成23年4月の実施要綱改正で、里親やファミリーホームの支援を行うことが明記されました。

こうした施設養護に加え、家庭養護として「里親制度」や「養子縁組制度」がありますね(児童福祉法第6条の3および4)。

なお、特別養子縁組については「公認心理師 2021-134」に書いてあります。

以上のように、社会的養護の種類については児童福祉法に規定されていることがわかります。

よって、選択肢②は誤りと判断できます。

③ 人身保護請求の要件

夫婦間において、一方が子を連れて別居をしてしまったという場合に、子の引渡しを求める手段としては、家庭裁判所に対して審判前の保全処分を申し立てることが考えられます。

しかしながら、この保全処分が発令されても、子の引渡しがなされない場合があります。

このような場合に、人身保護請求を行うことが考えられます。

人身保護請求とは、法律上正当な手続きによらないで身体の自由を拘束されている者が、その救済を求めるものです。

家庭裁判所は決定で、拘束者に対して、人身保護命令を発し、かつ、判決で釈放その他適当であると認める処分を行うことになります。

この人身保護請求は、本来は、矯正施設の収容者等の釈放を求めるために用いられていましたが、最近では、子の引渡しを求める手段として用いられることが多いと言われています。

この人身保護請求については、人身保護法を根拠としており、その第2条には「法律上正当な手続によらないで、身体の自由を拘束されている者は、この法律の定めるところにより、その救済を請求することができる」とされています。

そして、人身保護請求の要件については、人身保護法規則第4条に規定されています。


(請求の要件)
第四条 法第二条の請求は、拘束又は拘束に関する裁判若しくは処分がその権限なしにされ又は法令の定める方式若しくは手続に著しく違反していることが顕著である場合に限り、これをすることができる。但し、他に救済の目的を達するのに適当な方法があるときは、その方法によつて相当の期間内に救済の目的が達せられないことが明白でなければ、これをすることができない。


つまり、①身体の自由を拘束されていること、②拘束が法律上正当な手続によらないことが顕著であること、③他に救済の目的を達するのに適当な方法がないか、あるとしても相当の期間内には達せられないこと、が要件となっています。

上記のうち①については、子どもに意思能力がある場合(およそ10歳程度)はそれが尊重されますから、子どもが今の現状に問題がないと考えている場合には、人身保護請求は認められません。

また、②については、非監護権者による子どもの拘束は、原則として、違法性が顕著な場合に該当すると考えられています。

以上より、人身保護請求の要件については、人身保護法規則に規定があります。

よって、選択肢③は誤りと判断できます。

④ 児童虐待を行った保護者への罰則

こちらは一見して虐待に関することなので児童虐待防止法っぽいですが、児童虐待防止法に罰則の規定はありません。

児童虐待防止法で罰則が設けられているのは、児童虐待防止法第12条の4第1項(…当該保護者に対し、当該児童の住所若しくは居所、就学する学校その他の場所において当該児童の身辺につきまとい、又は当該児童の住所若しくは居所、就学する学校その他その通常所在する場所(通学路その他の当該児童が日常生活又は社会生活を営むために通常移動する経路を含む)の付近をはいかいしてはならないことを命ずることができる)に関する規定に違反した場合についてです。

すなわち、一時保護されている等の状況にある児童に接近するなどを行った場合に、児童虐待防止法第17条では「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と規定されています。

ですが、こちらは本選択肢の「児童虐待を行った保護者への罰則」ではありませんね。

「児童虐待を行った保護者への罰則」については別の法律(刑法)にて定められています。

虐待種については、児童虐待防止法にネグレクト、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待が規定されていますが、罰則はこれらの虐待種によって異なってきます。

ネグレクトの場合、保護責任者遺棄罪に問われる可能性があり、結果、子どもが死傷した場合には保護責任者遺棄致死傷罪に問われる可能性があります。

  • 保護責任者遺棄罪(刑法第218条):3ヶ月以上5年以下の懲役
  • 遺棄等致死罪(刑法第219条):傷害の罪と比較して、重い刑により処断する

身体的虐待の場合、子どもが怪我をしなくても暴行罪となり得ますし、子どもが怪我をすれば傷害罪となり得ます。

「しつけ目的であった」と弁解しても違法性は当然には否定されません(最近、何か悪いことをしたときに「わざとじゃなかった」と言い逃れようとする状況をよく見ますが、本人の意思が争点なのではなく、「やったこと自体」が問題の中核であるということを忘れてはいけませんね)。

また、配偶者や交際相手が直接的な虐待をしており、自分は見ていただけという場合でも、虐待行為について共謀があるような場合は傍観していた親も共犯として処罰される可能性がありますし、共謀がない場合でも虐待を制止するべき義務を放棄したことについて保護責任者遺棄や同致死傷罪に問われる可能性があります。

  • 暴行罪(刑法第208条):2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料
  • 傷害罪(刑法第204条):15年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 傷害致死罪(刑法第205条):3年以上の有期懲役

子どもに対して暴力を振るわなくても日常的に脅迫的な言葉を浴びせたり、義務のないよことを強いるような行為は心理的虐待と言えます。

このような心理的虐待については、暴行罪、脅迫罪、強要罪などが成立する可能性があります。

また、子どもを一定の場所に閉じ込めて自由を奪うような行為があれば逮捕・監禁罪に問われる可能性もあります。

  • 脅迫罪(刑法第222条):2年以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 強要罪(刑法第223条):3年以下の懲役
  • 逮捕・監禁罪(刑法第220条):3ヶ月以上7年以下の懲役

監護者という立場を利用して18才未満の子どもに性的虐待を行った場合、監護者わいせつ及び監護者性交等に該当します。

同罪は客観的に監護すべき立場にあれば成立しますので、子どもと親子関係がない場合でも成立する余地があります。

この場合、一見子どもに同意があるような場合でも、監護者の立場に乗じて行われたものと認められる場合には犯罪となります。

  • 監護者わいせつ及び監護者性交等(刑法第179条および第2項)
    ・わいせつな行為を行った場合:6ヶ月以上10年以下の懲役
    ・性交等をした場合:5年以上の有期懲役

以上のように、「児童虐待を行った保護者への罰則」については、それぞれの虐待に該当する刑法の条項が運用されることになるわけですね(こちらのページが大変役立ちました)。

よって、選択肢④は誤りと判断できます。

⑤ 児童虐待に係る通告をした者を特定させるものの漏えい禁止

こちらは児童虐待防止法に規定がありますね。


(児童虐待に係る通告)
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
2 前項の規定による通告は、児童福祉法第二十五条第一項の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。
3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。

第七条 市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所が前条第一項の規定による通告を受けた場合においては、当該通告を受けた市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所の所長、所員その他の職員及び当該通告を仲介した児童委員は、その職務上知り得た事項であって当該通告をした者を特定させるものを漏らしてはならない。


上記の第7条が本選択肢の内容を示していると言えますね。

よって、選択肢⑤が正しいと判断できます

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