以前、食行動障害および摂食障害群について記載しましたが、DSM-5になり重症度をBMIで判定するようになりました。
期待される体重の85%以下という基準を撤廃し、以下のように重症度を分類しています。
軽 度:BMI≧17kg/㎡
中等度:BMI16~16.99 kg/㎡
重 度:BMI15~15.99 kg/㎡
最重度:BMI<15 kg/㎡
※BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長²(m)
BMIについては、WHOに基準があります。
それによると上記の中等度の範囲はWHOの「痩せ」の基準であり、それ以下になると「痩せすぎ」という枠組みに入ります(ちなみに軽度の範囲は「痩せぎみ」とされている)。
※日本人独自の指標は「日本肥満学会」が指標を出していますが、ここでは割愛。
最重度になると心理療法よりも、身体治療が優先されることが多いようです。
その理由として、BMIがそこまで低くなると、すでに脂肪は身体についていない状態で、それ以上減るとすると筋肉が中心となります。
つまりそこから急激に体力が落ちやすくなるため、身体的なケアが中心になるということです。
同時に、筋肉が分解されることによってトリプトファン(セロトニンの前駆物質)が、脳に届きにくくなるため、精神症状が生じる可能性が高まります。
今回のDSM-5の改定は、こうした事柄を押さえているということになるのかなと思います。