食行動障害および摂食障害群の診断基準:変更点を中心に

摂食障害も色々変更があり、出題する側からすれば出しやすい内容だなと感じます。
以下のようにまとめました。

【カテゴリー名の変更】

◎「食行動障害および摂食障害群」というカテゴリー名となる。

【下位分類の新設】

◎神経性無食欲症と神経性大食症の他に、新たに「過食性障害」という下位分類が設けられた。
※過食性障害:過食の後に体重増加を防ぐための不適切な行為がない(神経性大食症はある)。

【神経性無食欲症/神経性やせ症に関する変更点】

◎体重の85%以下という記載が削除され、後述するBMIでの重症度判定を行うようになった。

◎「体重増加を妨げる行動」を追加:
かつてはこの病型は「まったく食べない」と認識されていたが、その実、多くが摂食制限型(過去3ヵ月間、過食または排出行動の反復的なエピソードがない)から過食・排出型(過去3ヵ月間、過食または排出行動の反復的なエピソードがある)へ移行するということを鑑みて設けられたと思われる。

◎無月経の基準が削除された。

◎重症度の特定をBMIにて行う(期待される体重の85%以下という基準の撤廃):
軽度ではBMI≧17kg/㎡、中等度ではBMI16~16.99 kg/㎡、重度ではBMI15~15.99 kg/㎡、最重度ではBMI<15 kg/㎡となっている。

◎部分寛解・完全寛解の特定:
かつて神経性無食欲症の診断基準を満たしていたが、部分寛解もしくは完全寛解しているか否かで特定する。部分寛解では、体重が回復していても太ることへの恐怖、自己認識の障害のいずれかが残っているとする。事実、体重は回復してもその点は非常に強く残る傾向がある。

【神経性大食症/神経性過食症】

◎頻度:3カ月間に少なくとも「週 2 回以上」を「週 1 回以上」に変更。

◎下位分類を削除。

◎部分寛解・完全寛解の特定:
かつて神経性過食症の診断基準を満たしていたが、部分寛解もしくは完全寛解しているか否かで特定する。これはこの病理の経過が慢性的だったり、再発や寛解を繰り返したりすることから設けられたと思われる。

◎重症度の特定がある:
不適切なエピソードが週に平均して、軽度は1~3回、中等度は4~7回、重度は8~13回、最重度は14回以上

【むちゃ食い障害/過食性障害の新設】

◎頻度:「3カ月間に少なくとも週1回以上」

◎過食性障害では、排出行動(誘発性嘔吐や下剤、利尿薬、浣腸の誤用)、過度の運動、絶食はみられない。

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