公認心理師 2018-11

大脳皮質の機能局在に関する問題です。
一つひとつ覚えても、一つひとつ記憶から抜けていくという、個人的には苦手な領域です。

解答のポイント

ある機能が、どの領域に存在しているかを把握している。

選択肢の解説

『①Broca野は頭頂葉にある』

ブローカ野は、障害されると運動性失語(意味は分かるけど話せない)を生じさせます。
その部位は、左下前頭回後方にあり、ここはその名の通り前頭葉に位置しています。
よって、選択肢①の内容は誤りとなります。

『②一次視覚野は側頭葉にある』

一次視覚野は、左右半球各々の後頭葉の後部皮質領域を指します。
よって、選択肢②の内容は誤りとなります。

視覚皮質・視神経・視交叉などの関連を知っておくと良いでしょう(図参照)。
ちなみに臨床心理士では「左視野の情報が右後頭葉に伝わる」「左眼球の情報は両後頭葉に伝わる」など、混乱される書き方をしてきますので、これから臨床心理士を受験される方は押さえておくと良いかもしれません。

『③一次運動野は後頭葉の中心前回にある』

一次運動野は、身体の随意運動を制御しており、中心溝のすぐ前に位置しています。
中心溝のすぐ前(の中心前回)ということは、前頭葉にあるということです。
よって、選択肢③は誤りということになります。

運動皮質のある場所に電気刺激を与えると、身体の特定の部分が動き、そこが損傷されると、運動が障害されます。

『④Wernicke野は側頭葉と前頭葉にまたがる』

ウェルニッケ野は、通常、左上側頭回の後半もしくは後方1/3とされています。
よって、選択肢④の内容は誤りということになります。
この部位が障害されると感覚性失語(話す機能はあるが、意味の理解が困難)を生じさせます。

『⑤一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある』

一次体性感覚野は、運動野と中心溝で隔てられている頭頂葉に存在し、刺激を与えると身体の反対側(神経線維が交叉している)に何らかの感覚を生じさせます。
図を見て頂ければわかるとおり、いわゆる中心後回に位置しています。
よって、選択肢⑤が正しい内容と言えます。

なお、一次体性感覚野は温覚、冷覚、触覚、痛覚、身体の動きの感覚を司る部位です。

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