公認心理師 2022-1

第1問は個人情報保護法に関する問題です。

類似の内容が過去に出題されていますね。

問1 個人情報の保護に関する法律における「要配慮個人情報」に該当するものを1つ選べ。
① 氏名
② 掌紋
③ 病歴
④ 生年月日
⑤ 基礎年金番号

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解答のポイント

「個人情報(個人識別符号含む)」と「要配慮個人情報」をごっちゃにしない。

選択肢の解説

③ 病歴

まずは「要配慮個人情報」という用語の理解が大切です。

こちらは個人情報保護法第2条第3項に規定されており、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」を指します。

また上記の規定内にある「政令で定める記述」については、施行令第2条により、次の事項のいずれかを内容とする記述等が「要配慮個人情報」にあたるとされています。


  1. 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること。
  2. 本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という)の結果
  3. 健康診断等の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと。
  4. 本人を被疑者又は被告人として、逮捕、捜索、差押え、勾留、公訴の提起その他の刑事事件に関する手続が行われたこと。
  5. 本人を少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第三条第一項に規定する少年又はその疑いのある者として、調査、観護の措置、審判、保護処分その他の少年の保護事件に関する手続が行われたこと。

上記にあたらないものは、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」には該当しないと見なすのが自然です。

上記を踏まえれば、本選択肢の「病歴」が要配慮個人情報に該当することがわかると思います(上記の第1項ですね)。

第2項は健康診断の結果、第3項は治療内容や薬剤の処方について、第4項は刑事事件の被疑者・被告人になったという情報、第5項は第4項の少年法バージョンといった感じでしょうか。

よって、選択肢①が個人情報の保護に関する法律における「要配慮個人情報」に該当するものと判断できます。

なお、「個人情報」と「要配慮個人情報」の違いについては、以下の選択肢の解説に譲ります。

① 氏名
② 掌紋
④ 生年月日
⑤ 基礎年金番号

これらについてはまず「個人情報」について述べていきましょう。

個人情報保護法第2条を見ていきましょう。


第二条(定義) この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ)で作られる記録をいう)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)
二 個人識別符号が含まれるもの

2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。
一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの
二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの


さて、ここまでの情報で、いわゆる「個人情報」に該当するのが、選択肢①の「氏名」や選択肢④の「生年月日」であることがわかりますね。

上記の条項より、「個人情報」には、①氏名・生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別できる情報、②個人識別符号が含まれる情報、があることがわかりますね。

後者の「個人識別符号」に関しては、個人情報保護法施行令で詳しく示されています。

個人識別符号について詳しく述べているのは以下の箇所になります。


第一条(個人識別符号) 個人情報の保護に関する法律(以下「法」という)第二条第二項の政令で定める文字、番号、記号その他の符号は、次に掲げるものとする。

一 次に掲げる身体の特徴のいずれかを電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、特定の個人を識別するに足りるものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に適合するもの
イ 細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列
ロ 顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定まる容貌
ハ 虹彩の表面の起伏により形成される線状の模様
ニ 発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状及びその変化
ホ 歩行の際の姿勢及び両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様
ヘ 手のひら又は手の甲若しくは指の皮下の静脈の分岐及び端点によって定まるその静脈の形状
ト 指紋又は掌紋

二 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第六条第一項第一号の旅券の番号

三 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十四条に規定する基礎年金番号

四 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十三条第一項第一号の免許証の番号

五 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コード

六 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項に規定する個人番号

七 次に掲げる証明書にその発行を受ける者ごとに異なるものとなるように記載された個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号
イ 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第九条第二項の被保険者証
ロ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十四条第三項の被保険者証
ハ 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十二条第三項の被保険者証

八 その他前各号に準ずるものとして個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号


上記の通り、「個人情報」の中の「個人識別符号」として、①DNA情報や容貌など、身体的特徴を変換した符号、②旅券番号、③基礎年金番号、④免許証番号、⑤住民票コード、⑥個人番号(マイナンバー)、⑦健康保険証の被保険者記号・番号、などが含まれることがわかりますね。

選択肢②の「掌紋」や選択肢⑤の「基礎年金番号」は、「個人情報」の中の「個人識別符号」に該当するものになるわけです。

ここまでの記述から、「個人識別符号」については「個人情報」に含まれるものであることがわかると思います。

では、「個人情報」と「要配慮個人情報」の違いについてはどうでしょうか。

既に述べた通り、「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報ですから、個人情報の中に要配慮個人情報がある、という捉え方で問題ないでしょう。

図で示すと上記の通りです。

こうして見ると、選択肢③が「要配慮個人情報」であり、それ以外の選択肢が「個人情報」であることがわかりますね。

よって、選択肢①、選択肢②、選択肢④、選択肢⑤は個人情報の保護に関する法律における「要配慮個人情報」に該当しないと判断できます。

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