あけましておめでとうございます。
ところで「よろしくお願いします」ってカウンセリングで言うことはありますか?
私はあまりありません。
なぜなら「よろしくお願いします」という文体には一般的に「仲良くやっていきましょう」というニュアンスが含まれているからです。
例えば、クライエントが自分の内にある怒りや敵対心を抑え込んで心身のバランスを崩しているということもあり得ますね。
そういう時にカウンセラーから「よろしくお願いします」と言われると、カウンセラーから「仲良くやっていきましょう」というメッセージが暗示的に伝わってしまう可能性があります。
そうするとクライエントは自分の内に押し込めている怒りや敵対心を表現することができず、現実世界と同様の問題がカウンセリング場面でも生じてしまう可能性が出てきてしまいますね。
こういう事態について、多くのクライエントが自覚・表明できることは少なく、むしろ「なんかカウンセリング行きたくない」というぼんやりとした拒否感として示されることが多いでしょう。
言葉はイメージを運びます。
自分が使おうとしている言葉が一般的にどのようなイメージを持ち、そのイメージが目の前のクライエントに運ばれることでどのような作用が生じるかを「見立て」た上で発せられることが大切です。
言葉が運ぶイメージの自覚と、上記のような「見立て」の上でなされたならば、雑談であっても治療的な効果を持つことになります。
と言っても、新年のあいさつをきちんとすることは社会人として大切なことでもありますね。
それを大切にするクライエントだと「見立て」られたときには、きちんと時節のあいさつをすることも大切です。