アダルト・アタッチメント・インタビュー:臨床心理士 H29-48

アダルト・アタッチメント・インタビュー(AAI:Adult Attachment Interview)は成人の語りに基づいてアタッチメントを測定・分類する半構造化面接法です。

Mainを中心とするBerkleyでの研究において、測定された子どもの愛着の個人差が養育者側のどのような要因によるのかを検討する試みの中で開発されました。
成人のアタッチメント表象を評価するための標準的な方法として、世界中で用いられており、近年では臨床におけるアセスメント・ツールとしても広く使われるようになってきているそうです。
愛着研究を思春期以降に適用する流れの中で、思春期以降の愛着の個人差を測定するツールとしてが開発されました。

そのことにより、愛着研究は対象が思春期以降に広がり、「愛着パターンの縦断的連続性の実証」や「世代間伝達の実証」、「愛着パターンと精神病理の関連についての実証」を可能にしました。
ちなみに、インタビューは録音されます。
いずれにせよ、成人の愛着分類(どういう風に分類されるのか)を知っておくことは重要ですね。
AAIでは類型として、愛着軽視型・安定型・とらわれ型・未解決型に分類します。

軽視型

乳児の回避型に該当する「アタッチメント軽視型」。
親を理想化して語るが、それを具体的なエピソードとして裏付けられない。

未解決型

乳児の無秩序・無方向型に該当する「アタッチメント未解決型」。
未解決のトラウマや喪失を抱えており、亡くなった親がまだ生きているかのように語るなど思考の誤りを示す。

とらわれ型

乳児のアンビバレント型に該当する「アタッチメントとらわれ型」。
質問に無関係な詳細も含んだ長い語りを示し、親に対する怒りを表すことが多い。

安定-自立型

乳児の安定型に対応する「安定-自立型」。
親の肯定的側面・否定的側面の両方を支持する具体的なエピソードを挙げつつ、一貫した語りを行う。

質問項目

簡略版ですが、質問項目は以下の通りです。
  1. まず、あなたの子供時代の家族構成、どこにお住まいになっていたか等からお話していただけますか?
  2. あなたの小さい頃の御両親との関係をできるだけ小さいころにさかのぼってお話していただきたいのです。
  3. 子ども時代の(母/父)との関係を描写するような言葉を5つ教えてくだい。
  4. 私が、それらを書きとめ、その後どうしてその言葉を選んだのかについてエピソードなどをお尋ねします。
  5. ご両親のどちらにより親近感を持っていましたか。また、それはどうしてですか。
  6. あなたが感情的に混乱した時、あなたはどのようにしましたか。また、どうなりましたか。特に思い出すエピソードはありますか。けがをしたときは。病気のときは。
  7. 両親と最初に離れたときのことを覚えていますか。
  8. 子ども時代、両親から拒絶されたと感じたことはありますか。そのとき、あなたはどのようにしましたか。両親は、子どもを拒絶したと自覚していたと思いますか。
  9. 両親に、恐らくしつけのためか或いは半分冗談で、脅されたことなどありましたか。
  10. 御自分の御両親との全般的な経験が今の御自分にどのような影響を与えたと思われますか。子供時代の経験がご自分の成長の過程において何らかの否定的な影響を及ぼしたと思われた事などありますか。
  11. 子ども時代、両親がそのようにふるまったのはどうしてだと思いますか。
  12. 子供の頃に、親のように慕っていた他の大人の方はいましたか。
  13. 子供の頃に、御自分の親か他の家族の一員、例えば兄弟とか他の近しくしていた親戚がお亡くなりになった経験はありましたか。
  14. 子供時代の頃と比べて、御両親との関係にいろいろと変化があったと思いますか。
  15. 現在のあなたと両親との関係はどのようなものですか。

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