公認心理師法に定める内容について、誤っているものを1つ選ぶ問題です。
公認心理師法に関する問題、あまり多くありませんでしたね。
この問題を解くために必要なのは、刑罰に関する知識という問題でした。
余談ですが、すべての法律問題において条項数が示されなかったのはグッドニュースです。
「~について示されているのは第○条である」という設問があり得てしまうと、条項数まできちんと把握することが必要になってしまいますから。
ちなみに本ブログでは、公認心理師法に関する問題は「公認心理師の職責」という分類としています。
解答のポイント
公認心理師法の内容について把握していること。
刑罰の内容について理解していること。
選択肢の解説
『①公認心理師は名称独占の資格である』
名称独占資格とは、無資格者がその名称(職業)を名乗ることはできませんがその名称の業務を行うことができる資格を指します。
職業としては、作業療法士、理学療法士、保育士などがあげられます。
業務独占資格とは、有資格者しか行うことができない業務で、無資格者が業務をすると刑罰の対象となります。
職業としては、医師、薬剤師、診療放射線技師などがあげられます。
ドラマ「HERO」の中で、八嶋さん演じる遠藤賢司(えんどう けんじ)が合コンで「遠藤賢司(検事)でーす」と言ってましたね。
ギリギリセーフでしょうか。
公認心理師法では以下のように定められております。
- 第2条:この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう
- 第44条:公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。
以上のように、選択肢①の内容は正しいので除外できます。
『②秘密保持義務に違反した者は禁錮刑の対象となる』
公認心理師法第41条に秘密保持義務についての記載があります。
「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする」
そして第46条に違反した場合の規則が定められています。
「第四十一条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない」
ここで重要なのは、条文の「懲役」と選択肢の「禁錮」の違いを把握していることです。
- 刑法第13条:禁錮とは、受刑者を刑事施設に拘置する刑を指します。
- 刑法第12条:懲役とは、受刑者を刑事施設内で拘置し、工場などで所定の作業を行わせる刑を指します。
禁錮も懲役も、刑の自由刑(身体の自由を拘束する刑)の一種です。
しかしながら、懲役は規則的労働(定められた刑務作業のこと)が義務付けられているのに対し、禁錮は規則的労働を強制されることはありません。
刑法9条及び10条によれば、刑の順序は、重い順に「死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留及び科料」と規定されていますので、懲役が禁錮より重いとされています。
以上のように、選択肢②の内容は誤りと言え、こちらが正答となります。
『③公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない』
公認心理師法第40条に以下のような記載があります。
「公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない」
いわゆる「信用失墜行為の禁止」ですね。
条文そのままの内容です。
よって、選択肢③の内容は正しいので、除外できます。
『④クライエントについての秘密を他者に伝えるには、正当な理由が必要である』
公認心理師法第41条に以下のような記載があります。
「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする」
こちらは条文を読みかえる問題ですね。
「正当な理由なく…漏らしてはならない」ですから、「秘密を他者に伝えるには、正当な理由が必要」と捉えることが可能なわけです。
より具体的に状況を考えていきますと以下の通りです。
- 要心理支援者の許可を取り、その支援に資する行為のために活用するとき(情報共有等の場面)
- 要心理支援者の許可はもらえなかったが、自傷他害の可能性が高いと判断できるとき。
- その他、法律上規定されている事柄(虐待の通告など)。
『⑤秘密保持義務違反した者は、公認心理師の登録を取り消されることがある』
- 第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合
- 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
上述の通り、秘密保持義務は第41条ですから下線部の内容が該当しますね。
よって、選択肢⑤は正しいので、除外できます。