長谷川式は簡易的に行える認知症スケールですが、その簡便さからわざわざ覚えなくても大丈夫かなと高をくくっていました。
しかし、意外と聞かれると戸惑うこともあるなぁと今更ながらに思います。
何度も繰り返し、覚えるようにしましょう。
意外と間違えやすいポイントを書いていきます。
- 長谷川和夫が開発者(2017年10月にご自身も認知症であることを公表した)。
- 9項目30点満点で、20点以下だと「認知症疑い」となる。
- 認知症であることが確定している場合は20点以上で軽度、11~19点の場合は中等度、10点以下で高度と判定する。
- 言語性の項目のみで構成されている。
質問項目は以下の通り。
- お歳はいくつですか?
(2年までの誤差は正解) - 今日は何年何月何日ですか? 何曜日ですか?
(年月日、曜日が正解でそれぞれ1点ずつ) - 私たちがいまいるところはどこですか?
(自発的にでれば2点、5秒おいて家ですか?病院ですか?施設ですか?のなかから正しい選択をすれば1点) - これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。
①:a)桜 b)猫 c)電車
②:a)梅 b)犬 c)自動車 - 100から7を順番に引いてください。
(100-7は?それからまた7を引くと? と質問する。最初の答えが不正解の場合、打ち切る) - 私がこれから言う数字を逆から言ってください。
(6-8-2、3-5-2-9を逆に言ってもらう、3桁逆唱に失敗したら打ち切る) - 先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください。
(自発的に回答があれば各2点、もし回答がない場合以下のヒントを与え正解であれば1点)a)植物 b)動物 c)乗り物 - これから5つの品物を見せます。それを隠しますのでなにがあったか言ってください。
(時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なもの) - 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
(答えた野菜の名前を右欄に記入する。途中で詰まり、約10秒間待っても出ない場合には そこで打ち切る=流暢性をチェックしている)
余談ですが、臨床心理士では「長谷川式では付添者から正答をあらかじめ聞いておく項目がある」という過去問題がありました。
当然「×」だと思っていたら、正解は「○」でした。
どうやら長谷川式が現在の改訂版になる前は、付添者から聞いておく項目があったようです。
しかし、当時はすでに長谷川式の改訂版が出ている時期でしたので、ちょっと意地悪な問題だったなと記憶しております。
【2018-51】