認知バイアス:臨床心理士 H29-4

日頃の意思決定や認識には様々なバイアスが働いていますが、人間の脳には限界があるので、簡便な情報処理では認知的バイアスが働くことになります。

人が持ちやすいバイアスを知っておくことは大切ですね。
平成29年度の臨床心理士試験問題(問題4)で出題されていた内容です。

非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題などが含まれます。
そのため認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪めることになるなど、関係領域は広い概念ですね。

主なバイアスについては以下の通りです。

  • 利用可能性(可用性)バイアス
    日ごろ接している情報や目立つ出来事を過大視する傾向。
    車よりも飛行機を敬遠するのは、飛行機事故が大きく発信されるため。
    車の方が危険なのに。
  • 確証バイアス
    ある考えや仮説を検証する場合、その仮説に合致する情報を選択的に認知したり、重要と判断する傾向。
    いったんある決断をおこなってしまうと、その後に得られた情報を決断した内容に有利に解釈する傾向をさす。
    見た夢を正夢だと思い込むことなど。
  • 内集団バイアス
    ある集団を恣意的に定義して、その集団が多くの点で他の集団より多様で「良い」と評価することを指す。
  • 後知恵バイアス
    出来事が起きた後で、そのことは前もってわかっていたはずだと考え、当時の情報を過大に評価することを指す。
    過去の事象を全て予測可能であったかのように見る傾向。
  • 正常性バイアス
    自分にとって都合の悪い事実や情報を過小評価する傾向。
    避難命令が出ているのに避難しない人たち。

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