新版K式発達検査2001

知能検査・発達検査については、各検査の特徴が出しやすいところだなと思います。
臨床心理士を受験した際は、WISCの問題を間違えて悔しい思いをした記憶があります。

新版K式発達検査については、臨床心理士の過去問を何度やってもうろ覚えで困っています。
一度しっかりとまとめておこうと思います。

【概要】

Gesell,A.の発達理論に基づいた検査であり、1951年に嶋津峯眞、生澤雅夫らによって、京都市児童院(1931年設立、現・京都市児童福祉センター)で開発された。
(KyotoのK=K式)


0歳から成人まで適用可能。
※改訂前は0歳3か月~14歳0か月までだったが、これを拡大して0歳3か月未満児に対する尺度を整備している(生活年齢100日未満の場合、発達年齢は算出できないが、用紙には1-30日の項目から始まっている)。

328項目で構成されている。
※実施項目は20~50項目ほどになる。

同一の被検者に対して、数回の検査を実施することが可能であるため、結果を並べて分析できる(=発達の変化を捉えやすくなる)。

聴取による判定をできるだけ避けて、検査場面の子どもの行動から判断する検査。
※保護者からの聴取による判定は、「禁止」という強い文言ではなく「薦められていない」というニュアンス。やむを得ない場合は聴取による判定も有り得る。

0歳児を対象とする第1葉、第2葉は、検査を受ける子どもの姿勢を、子どもに負担がかからないように順を追って変えていくので、検査の実施順が決められている
第3葉以降は、子どもの興味や注意を持続させるように実施順序を工夫するよう求められている。

以下の点に従いつつ実施していく。
  • 基本的に生活年齢に該当する検査項目を中心に展開する。
  • 通過できる項目はより年齢が高い項目へ展開していく。
    一方で、不通過の項目では対象年齢の低い項目へ展開し、通過できる項目の上限と下限を明らかにしていく。
    (ビネー式に似ている感じですね)
  • 項目の通過・不通過以外にも、行動観察の情報も記録することが基本となっている。

【結果について】

結果として算出するのは以下の項目になる。
これらの項目について、発達年齢(検査時点での発達状況を年齢に換算した)と発達指数(生活年齢と発達年齢の比率)を算出する。

  • 全領域
  • 姿勢・運動領域:
    粗大運動(全身を使った運動:走る、歩くなどのこと)を中心とする運動に要する身体発達の度合い。3歳6か月以降は課題が設定されていない。
  • 認知・適応領域:
    手先の巧緻性や視知覚の力などの視覚的な処理と操作の力
  • 言語・社会領域:
    言葉のほかに大小や長短などの抽象的な概念や数概念を含む対人交流の力

年齢層によって、上記の検査項目の割合が変化する。
※乳児は「姿勢・運動領域」の項目が多くなる等。

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