第一種の過誤と第二種の過誤

仮説検定の領域でごっちゃになりやすいのが、第一種の過誤と第二種の過誤だと思います。
きちんと弁別しておくことが大切ですね。

◎第一種の過誤とは…

  • 「TypeⅠError」や「偽陽性」等とも呼ばれる。
  • 帰無仮説が実際には正しいのに棄却してしまう過誤である。

◎第二種の過誤とは…

  • 「TypeⅡError」や「偽陰性」等とも呼ばれる。
  • 帰無仮説が実際には誤りなのに棄却しない過誤である。

理論的には上記で終了だが、ちょっと具体例を交えて。
研究として「超能力によってさいころの目を操作できるか?」というテーマに取り組む。
その場合、帰無仮説は「超能力による操作はできない」となる。
その場合の「第一種の過誤」では、超能力による操作はできなかったのに、できたと見なしてしまうことであり、対して「第二種の過誤」では、超能力による操作ができたのに、できなかったと見なしてしまうことを指す。
疑わしきは罰せず(刑事訴訟法336条)とは、 「第一種の過誤」を避けるような手法を採用することを推奨していることになる(犯人ではないのに、犯人としてしまうこと)。
個人的には、上記の犯罪の例が覚えやすいように思っています。
  • 第一種の過誤=犯人じゃないのに逮捕!
    (ここで言う「逮捕」は、統計で言う「帰無仮説を棄却する」ということです)
  • 第二種の過誤=犯人なのに、疑うことすらできてない(取り逃がす)!
第一種の過誤=偽陽性、第二種の過誤=偽陰性という表現で覚えるのもアリかもしれないです。
偽陽性=陽性が偽…「正しいとしたことが間違い(本当は間違い)」という感じ。
偽陰性=陰性が偽…「誤ったとしたことが間違い(本当は正しい)」という感じ。
やっぱり分かりづらいですね。
そんな時は、どちらか一方をしっかりと覚えて「もう一方は、それと逆!」とするのはいかがでしょうか。

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