反抗挑戦性障害、素行障害、反社会性パーソナリティ障害は、ひとくくりにして覚えておいた方が良いように思います。
各障害の特徴全部というよりも、障害同士の違いを明確にしていきたいと思います。
なお、以下の基準はDSM-Ⅴに沿っています。
【反抗挑戦性障害】
- 怒りにもとづいた不服従、反抗、挑戦的行動の持続的様式と表現される児童期の精神障害。
- これらの行動は通常の児童の行動の範囲を越えたもので、権威的人物に向けられる。
- 診断には、6か月以上の持続を必要とする
- 他者の人権を蹂躙するようなことはしない。
- 素行障害(以前までは行為障害と訳されていた)を示す児童には、反抗挑戦性障害の診断は下されない。
- アイデンティティ確立のための成長に必要な反抗的な行動とは異なる。
- 注意欠陥・多動性障害の衝動性や、双極性障害の易刺激性などと鑑別が必要。
- その人が18歳以上の場合、反社会性パーソナリティ障害の基準を満たさない。
【素行障害】
- 他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害することが反復し持続する行動様式をしめす。
- 15個ある基準の内、どの基準群からでも少なくとも3つが過去12ヵ月の間に存在し、基準の少なくとも1つは過去6ヵ月の間に存在すること
- その人が18歳以上の場合、反社会性パーソナリティ障害の基準を満たさない。
診断基準の例として…
- 人や動物に対する攻撃性:しばしば人と喧嘩したり、脅迫したり、威嚇したり、動物に対して残虐な仕打ちをする。
- 所有物の破壊:他人の所有物の破壊、放火など。
- 嘘をつくことや窃盗:繰り返し嘘をついたり、盗みを行う。
- 重大な規則違反:学校のズル休みや、家出など。
【反社会性パーソナリティ障害】
- 法や倫理にかなった行動に従わなかったり、自己中心的で冷淡な他者への配慮が欠如していたり虚偽性、無責任さ、操作性や無謀さが特徴である疾患。
- 自己愛性は「自分は優れている」という思考に裏打ちされた行動となるが、反社会性では欲しいものを手に入れたり、自分が単に楽しむために行うのが特徴とされる。
- 診断基準B:18歳以上である。
- 診断基準C:15歳以前に、素行障害の証拠がある。
- 診断基準D:統合失調症や躁病エピソードが原因ではない。
診断基準Aとして「他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以上で起こっており、以下のうち3つ以上によって示される」とされている。
- 法律にかなって規範に従うことができない、逮捕に値する行動
- 自己の利益のために人を騙す
- 衝動的で計画性がない
- 喧嘩や暴力を伴う易刺激性
- 自分や他人の安全を考えることができない
- 責任感がない
- 良心の呵責がない