公認心理師 2022-42

「よき人生モデル(Good Lives Model)」に関する問題ですね。

初出の内容ですから、大枠が理解できるように解説していくことにしましょう。

問42 T. Ward らが提唱したグッド・ライブス・モデル〈Good Lives Model〉について、不適切なものを1つ選べ。
① クライエントにとっての接近目標と自己管理を重視している。
② 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。
③ 人間の尊厳や権利を重視し、ポジティブ心理学的アプローチをとっている。
④ クライエントを社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるものである。
⑤ 一次的財〈primary goods〉とは人間が生きる上で必要なもので、行為主体性、友情など 11の項目が挙げられている。

関連する過去問

なし

解答のポイント

犯罪者の処遇理論に関する概要を理解している。

選択肢の解説

① クライエントにとっての接近目標と自己管理を重視している。
③ 人間の尊厳や権利を重視し、ポジティブ心理学的アプローチをとっている。
④ クライエントを社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるものである。
⑤ 一次的財〈primary goods〉とは人間が生きる上で必要なもので、行為主体性、友情など 11 の項目が挙げられている。

犯罪者処遇に、1990年代の終わりにその萌芽を認めるポジティブ心理学の考え方を導入したものが「よき人生モデル(Good Lives Model)」による処遇です。

従来、性犯罪者処遇では、①個人の再犯リスクが何でどの程度のものか同定し、②どのリスクを軽減するように働きかける必要があるかを決定し、③個人の学習スタイルと能力に応じた処遇のスタイルと方法を採用する、Andrewsら(2010)が提唱するリスク・ニーズ・リスポンシビティ(RNR)原則に基づき、再犯リスクのある状況を避けるスキルを身に付けさせ、リスクを高めないようにする再発防止モデルに重きを置いてきました。

ところが、その後、リスクの軽減を目的とした処遇だけでは十分効果が上がらないという研究結果が示されました。

この背景には再発防止モデルによる処遇に携わる者の中に、禁止や回避を伴う処遇ばかりでは、処遇意欲が湧きにくい者が少なからずおり、また、処遇を受ける犯罪者にとっても息苦しく感じることがあり、それが処遇に主体的に取り組む姿勢を阻害し、両方が相まって処遇効果に影響したと考えられています。

こうした再発防止モデルの限界を踏まえて提唱されたのが「よき人生モデル(Good Lives Model:以下、GLM)」であり、犯罪者自身が達成したいと考える接近目標を取り入れた処遇において、処遇への主体的な取り組みがより可能になるとするのがGLMの基礎にある考え方です。

このようなポジティブ心理学に基づいた考え方を犯罪者処遇に導入する利点を挙げると以下の通りです。

  1. 接近目標を設定させる
    接近目標とは実現したいと思うようなポジティブな目標であり、回避目標とは回避したいと思うようなネガティブな目標のことを指す。接近目標の設定が内発的動機付けの向上につながることは数々の研究で実証されてきている。また、回避目標より接近目標のほうが維持されやすいと言われていることからも、長期的に再犯を防止するためには接近目標を設定させることが欠かせないと考えられる。
  2. 希望を持たせる
    心理療法において十分な治療効果を得るためには、クライエントに希望を抱かせることが不可欠だと言われている。希望を抱けないと、クライエントは自分に変化する力がないと思い込み、変化に向けた動機付けを失いやすく、また、困難があるとあきらめやすくなる。犯罪者の処遇においても、希望を抱かせる必要があることは言うまでもない。
    希望理論では、希望を抱くための3要素として、目標(goals)、経路(pathways)発動(agency)を挙げている。すなわち、達成したいと感じる目標があり、その目標を達成するための経路があり、さらに、その目標の達成に向けた自信や意欲があることが、希望を持つための必要条件と言われている。
  3. 性犯罪者と協働する
    協働とは、心理療法においてセラピストとクライエントが、クライエントが抱える問題の本質を明らかにし、お互いの意見を一致させ、その問題の解決に向けて一緒に取り組むことである。協働することによって、クライエントが主体的に自分の変化に関与できるほか、セラピストから信用され、支援されているという感覚をクライエントに持たせることができるという利点がある。
    犯罪者処遇においては、再犯リスクを低下させるだけでなく、罪悪感を喚起して贖罪意識を持たせることが求められることも少なくないので、犯罪者のその時々の心理状態や内省状況を踏まえて、協働と直面化重視の姿勢をバランス良く使い分けていく必要があるだろう。
  4. ポジティブな自己イメージを育む
    性犯罪者が恥の感情を抱きやすく、その恥の感情が自己評価の低下や責任の外在化、改善に向けた動機付けの低下といった処遇効果を減退させるような否定的な効果をもたらすことは前述したとおりである。一方、ポジティブな自己イメージを育み、恥の感情によって生じるネガティブな自己イメージとの間に認知的不協和を生じさせれば、自己改善に向けた動機付けを向上させうることが指摘されている。

犯罪者には他者や社会に危害を与えたことを認め、自らの感情・考え方・行動を社会適応的なものに改める責任がある一方で、社会にも更生に努める犯罪者に対して社会的な資源と機会を提供する責任があります。

犯罪者の更生は基本的に人間としての可能性を積み上げていく過程であり、処遇者はそれを支援するような介入を行うべきとされ、犯罪者は自身に関心を持って人生を立て直す力があると信じてくれる処遇者の働きかけには高い応答性を示すと捉えます。

このようにGLMは、犯罪者処遇に枠組みと方向性を与える一つの指針であり、処遇の目的と基盤となる価値観を示します。

対象者の尊厳を尊重し、長所を生かした能力開発を目指す長所基盤アプローチがGLMになります。

GLMは三層構造の仮説の上に成り立っています。

すなわち、あらゆる人間は11の基本財のどれかを追い求めているという「一般的仮説」と、犯罪行為は、違法な手段で基本財を手に入れようとした結果であるという「原因論的仮説」、そして、犯罪者への処遇はそのような基本財を合法的な手段で獲得できるように、本人の能力を高めたり、環境を整備したりすべきであるという「実務への示唆」から成り立っている。

以下では一つずつ解説していきましょう。

まずは「一般的仮説」について述べていきます。

犯罪者を含め人間は誰しも、人間としての基本財(primary human goods)を獲得することを志向していると見なし、人生とは、個人が自らの目標を通じて、基本財を獲得し発展させていく過程と捉えます。

犯罪者も基本財を主体的に獲得することで、社会適応的なアイデンティティを構築し、自らが大切に思うことを護っていく能力を獲得していくことができ、その結果、人間は生活の充足と精神的な福利を獲得できます。

GLMにおける基本財とは以下の11個になります。

  1. 生活:健康な生活や機能
    収入を得て基本的なニーズを満たすこと、体を動かすこと、健康に関係する滋養を取ること、健康管理すること、体がちゃんと機能すること
  2. 知識:生活していく上で必要な知識
    学校、研修、職業訓練コースに通うこと、自己学習すること、非公式な活動に従事すること、治療に加わること、自己援助活動に従事すること
  3. 仕事や遊びでの卓越:達成経験等、卓越性
    スポーツをすること、他のレジャー/レクリエーション活動に加わること、趣味に従事すること、研修を受けること、資格を得ること、実習に参加すること
    ※これが2つに分かれるらしい。つまり「余暇・遊び:」と「仕事のなかの卓越性:仕事のなかで何か周囲が認めるようなものがあること」になる。
  4. 行為主体性:自律性および自己決定、自分で自分の目標を設定したいと思うこと
    特定の目標を達成するための計画を実行すること、自立できるための活動に従事すること、自分のニーズを他者に伝えること、他者に対するニーズや要望を伝えること、自己統制できるように他者を統制・支配・虐待又は操作すること、敵意に満ちた/危険な世界のシェーマを持つこと
  5. 精神内面の平穏:情緒的な混乱がない、ストレスに振り回されない
    感情的な苦痛を最小限にする/心の平穏を得ること、特定の活動(例:身体運動や瞑想)に従事すること、衝動を統制すること、気分を調整し強い情動を伴う刺激/出来事に対処できるよう物質を使用したり性行動を起こすこと
  6. 友情/関係性:親密な関係、ロマンティックな関係、家族関係等
    新しい人と出会うことや人との関係を維持することを促すような社会的な活動やそれ以外の活動に従事すること、友人と過ごすこと、援助したり援助されたりすること(例:情緒面での援助や実践的な援助)、親密な関係を持つこと
  7. コミュニティ:親密な者以外との関係性
    地域の活動(例:社会貢献団体、特別利益団体)に参加すること、ボランティア活動に従事すること、グループに参加すること、共通の関心事や価値を持つこと、心配事などを共有する集団の一員になること、必要な時に実際に役立つことをすること(例:近所の人)
  8. 精神性:広い意味で人生の意義や目的を見出すこと、人生に意味を持つこと
    宗教的・精神的行事に公的に参加すること、瞑想や祈りのような活動に参加すること、精神的な共同体/団体に関与すること、精神性に関する書物等を学び読むこと
  9. 幸せ:人生において満足した経験である状態
    楽しい活動に従事すること(例:レジャー活動、スポーツ、セックス)、人生の目的や方向性を見いだせる活動に従事すること(例:仕事、友情、家族)、治療や自助活動に参加すること
  10. 創造性:目新しさや革新を求めること
    これまで試みたことがないような新しい斬新な経験をすること、学術的で創造的な活動に従事すること、目新しい性的な活動を求めること

なお、財は、抽象的な概念である基本財と、基本財を獲得するための具体的な方法である副次財に分けられ、副次財が実際の処遇技法になります。

上記の基本財に対応する副次財があるということですね。

例えば、それは人との親密な関係を得るための特定の仕事やつながりなどであり、この点は次の原因論において重要となります。

続いて「原因論的仮説」です。

GLMにおいて、犯罪や生活上の問題は「Good Lives Plan:よき人生計画」を実施する中での次の4つのタイプの弱点から生じると考えます。

  1. 財を獲得するために「不適切な戦略=副次財」が使われている。
    例えば、ある性犯罪者が基本財である関係性について問題を有し、成人との間に性愛を伴う親密な関係を築けず、代わりに子どもと性関係を持つことで親密性に関する欲求を満たそうとする。
  2. GLMが「視野の欠落」によって台無しになっている。
    例えば、ある犯罪者は仕事における卓越性という財を達成できないので深い自己嫌悪に陥り、自分に対する怒りの感情を内省させ、その感情が高じて暴行等犯罪行為に及ぶ。
  3. 財の追求における「葛藤」が深刻なストレスと不快感を引き起こしている。
    相反する目標があると不快に感じ、その状況を解決しようとして反社会的な方法を用いる。
  4. 自らの置かれた状況において基本財を満たす「内的・外的能力」が欠如している。
    内的能力とは情緒・認知・行動面での技能や能力、外的能力とは目標達成を促す物理的環境、機会、資源、社会的支援等である。

このように、GLMにおいて、犯罪を誘発する欲求(犯罪誘発ニーズ)とは基本的財を得るための内的または外的な障害です。

問題があるのはそうした財そのものでなく(基本的財はすべての人が追求する)、それらを得ようとする活動ないし方策にあると見なします。

こうしたライフプランの問題のタイプには、手段(means)が不適切である場合、視野(scope)を欠いている場合、葛藤(conflict)が求める財の間にある場合、そして内的・外的な潜在能力(capabilities)が不足している場合の4つがあるとしたわけですね。

最後に「実務への示唆」についてです。

GLMに基づく介入の目的は、犯罪者が適切な手段によって基本的財を獲得する能力を身に付け、そうすることでより充実した精神状態と帰納を獲得するのを支援することです。

そのために、まず個々の犯罪者の基本的財に関するアセスメントが求められます。

具体的には、①基本財の査定、②副次財の査定、③基本財と性犯罪の関係の査定、④「よき人生の計画」の欠陥の査定、であり、GLMを査定する者は、まず①~③の査定のための面接を行い、その後、「Good Lives Plan:よき人生計画」上の欠陥を査定します。

こうした手続きを経て、グッドライフ志向のケースの見立てと処遇プランが、処遇者によって策定されます。

ウォードらによれば、それは以下のような段階を経るとされています。

  • 第1段階:犯罪行為の中で示される臨床的な現象が探索される。言い換えると、そうした現象がどのような問題を呈しているか、どのような犯罪誘発ニーズが表れているのかを検討する。
  • 第2段階:犯罪行為に直接または間接に結びついている主要な財の同定を通じて、犯罪行為の役割が明らかにされる。その際、本人にとっての最も重要な財の確認がなされる。
  • 第3段階:本人の長所、ポジティブな経験、人生経験などが特定される。
  • 第4段階:主要な財と道具的な財がどのようにして生き方の中に変換されうるのかが解明される。
  • 第5段階:プログラムが終了した後に本人が生活することになる環境や文脈が把握される.
  • 第6段階:上記の情報に基づいて、クライアントのためのグッドライフ処遇プランが策定される。処遇者は、本人にとっての意味のある人生をふまえたうえで、本人がプランを実行に移す適切な機会を得るために必要な潜在能力を摘示する。

以上のように、GLMは人間が潜在的に持つ強みの発達を助けようとする長所基盤もモデルの一つになります。

禁止や回避を中心とした関わりではなく、人間の尊厳や権利を重視したポジティブ心理学的アプローチを基盤に置き、犯罪者を社会の中に包摂し、その立ち直りへの動機づけを高めるアプローチがGLMになります。

接近目標という実現したいと思うようなポジティブな目標を掲げており、それに向かって自律的に当人が更生の道を行けるようサポートしていきます。

また、人間が誰でも獲得することを志向している基本財=一次的財(primary human goods)を定め、これに基づいて接近目標が設定されます。

以上のように、選択肢①、選択肢③、選択肢④および選択肢⑤は適切と判断でき、除外することになります。

② 性犯罪者のリラプス・プリベンション・モデルに基づいたモデルである。

上記で述べた通り、「よき人生モデル(Good Lives Model)」は、①個人の再犯リスクが何でどの程度のものか同定し、②どのリスクを軽減するように働きかける必要があるかを決定し、③個人の学習スタイルと能力に応じた処遇のスタイルと方法を採用する、Andrewsら(2010)が提唱するリスク・ニーズ・リスポンシビティ(RNR)原則への批判から生まれました。

このようにRNRモデルは、再犯削減や更生に効果的な処遇を展開するために有用な諸原則中、上記の3原則(=リスク・ニーズ・リスポンシビティ)に基づくアセスメント及び処遇の方法論です。

Andrewsらが1980年代から検討してきた犯罪行動についての一般人格理論・認知的社会的学習理論や犯罪関連の実証的諸研究の知見に基づいています。

欧米各国等で処遇効果向上のためにRNRモデルをアセスメントや処遇管理の基盤として取り入れる法域も増え、実証的根拠に基づく実務の発展と連動する形で支持されてきました。

特に、限られた人的・物的資源を有効に活用・配分し、処遇の個別化を推進し、再犯削減に効果のある処遇を最適化して展開する上で有用な役割を果たしてきたといえます。

一方、GLMを代表する長所基盤型の介入を重視する立場から、RNRモデルが対象者のリスクや問題点のみを注視し管理しようとするリスク管理一辺倒のモデルで、対象者の立ち直りや社会復帰よりもリスク管理ばかりが主目的化し、社会再参加を阻む恐れがあるという批判があります。

また、リスク管理による管理を主調とした自己管理は、動機づけを低下させ、処遇プログラムからのドロップ・アウトを生みやすくする等の批判も加えられています。

このような背景があり「よき人生モデル(Good Lives Model)」が提唱されてきたわけですね。

ですから、本選択肢に関しては「リラプス・プリベンション・モデル」ではなく「リスク・ニーズ・リスポンシビティ」が適切な表記になるわけです。

以下では、リラプス・プリベンション・モデルについて簡単に述べていきましょう(こちらの小論を参考にしつつ)。

リラプス・プリベンション・モデル(Relapse Prevention Model)とは、米国ワシントン大学のアラン・マーラットによって開発された、欧米における依存症の治療で選択肢の第一に挙がる治療法とされています。

リラプス・プリベンションとは直訳すれば「再発防止」という意味であり、依存症治療における最大の難関とされる断酒・断薬の状態を継続させるための治療モデルです。

元来、アルコール・薬物依存症の治療モデルとして開発されたリラプス・プリベンションであるが、現在は禁煙指導、ギャンブルや性犯罪など強迫的な行動上の問題の治療、摂食障害、統合失調症、うつ病など再発を繰り返す精神疾患の治療などにも応用され、その適用範囲が拡大しています。

リラプス・プリベンションによる治療は2つの段階から成っています。

第1は、リラプス(再飲酒・再使用)に至りやすい「ハイリスク状況」を同定することであり、アルコール依存症の場合のハイリスク状況としては、仕事帰り、友人からの誘い、年末年始、ストレス、気分が落ち込んだときなどが挙げられるます。

そして、こうしたハイリスク状況への対処を学習することが、リラプス・プリベンションの第2段階であり、これこそが依存症治療の中核となります。

対処の方法には大きく分けて2つあり、まず、除去できるハイリスク状況は除去する(刺激統制)、そして除去ができないものは飲酒以外のコーピング・スキルを学習したり(スキル訓練)、飲酒とは相容れない代替行動を身に付けたりすることで対処できるようにします。

例えば、いつも給料日の夜に飲み友達と飲酒していたのならば、飲み友達との付き合いをしばらく控える、あるいは誘わないように頼むことでそのハイリスク状況は除去できるかもしれません。

ただし、給料日の夜というハイリスク状況は、除去することは不可能なので、例えば家族と食事の計画を立てる、スポーツクラブに行くなどの代替行動によって対処するようにします。

ストレスがハイリスクという人も多いが、これも除去することは不可能であり、これまでもっぱら飲酒によってストレスを発散しようとしていたことにあるのだから、治療では、ストレスに対処するための別の行動(リラクセーション法、運動、カウンセリングなど)を身に付けるべくスキル訓練をしていくことになります。

以上は治療過程のほんの一例であるが、こうした介入をしながら、治療目標は当然のことながら依存物質・行動を断つことの継続になります。

しかし、しなければ良いというわけではなく、リラプス・プリベンションでは、ライフスタイルを変えることも大きな目標とされます。

つまり、対人関係、家族関係、時間管理、金銭管理、余暇の過ごし方、食生活、運動習慣などを見直し、今後はアルコールに頼らない適応的なライフスタイルに変えていくことが重要であり、「生き方」そのものを変えていくことが目標とされます。

そのために、治療では毎日の行動スケジュールを立てる、金銭管理を行う、余暇の過ごし方の計画を立てるなどの介入も実施していきます。

以上のように、「よき人生モデル(Good Lives Model)」はリスク・ニーズ・リスポンシビティ(RNR)原則への批判から生まれたとされています。

リラプス・プリベンションは、1980年代にAlan Marlattが提唱であり、当初は物質依存症の再発防止モデルとして発展しました。

リラプス・プリベンションは、高リスク状況、ラプス(1回のスリップのこと)、リラプス(以前の依存状態への後戻り)の3段階で捉えるのが特徴であり、ラプスに際しては、こうした危険を回避しながら、再度、問題行動を断つことの継続に向けてモチベーションを高めることが何よりも重要とされています。

このように、リラプス・プリベンションは再発防止に最も効果的なリスク回避型治療モデルとされていますが、「よき人生モデル(Good Lives Model)」はこうした「回避型」のアプローチへの批判から生まれたという経緯がありますね。

このことを踏まえれば、「よき人生モデル(Good Lives Model)」がリラプス・プリベンション・モデルに基づいていることはないとわかります。

以上より、選択肢②が不適切と判断でき、こちらを選択することになります。

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