少子高齢化が進むわが国の現状について、正しいものを2つ選ぶ問題です。
こちらの問題は少子高齢化という社会問題にきちんと目を向けているかを問われています。
これから日本がどういう国になっていくのか、そうした状況においてどういった心理状況が幸福であると言えるのか、などを考えていく必要があると思います。
解答のポイント
少子高齢化に関する統計情報を把握していること。
選択肢の解説
『①高齢化率は約15%である』
こちらについては内閣府のこちらのページに記載がありました。
以下、転載です。
日本の総人口は平成29(2017)年10月1日現在、1億2,671万人となっています。
65歳以上人口は3,515万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も27.7%となりました。
65歳以上人口を男女別にみると、男性は1,526万人、女性は1,989万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は76.7であり、男性対女性の比は約3対4となっています。
また、65歳以上人口のうち「65~74歳人口」は1,767万人(男性843万人、女性924万人、性比91.2)で総人口に占める割合は13.9%、「75歳以上人口」は1,748万人(男性684万人、女性1,065万人、性比64.2)で、総人口に占める割合は13.8%です。
以上より、選択肢①は誤りと判断できます。
そしてこのままでいくと、平成41(2029)年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、平成65(2053)年には1億人を割って9,924万人となり、77(2065)年には8,808万人になると推計されています。
また、総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成48(2036)年に33.3%で3人に1人となります。
総人口に占める75歳以上人口の割合は、平成77(2065)年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されます。
※元号が平成のままなのはご容赦ください。
こうした見通しからもわかるとおり、これから日本は世界に先駆けて人口が減り、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上という時代がやってくるわけです。
当然ながら、経済が右肩上がりで上昇していくということはあり得ません。
どうやっても下がっていきます(今も本当は怪しいもので、いろいろ操作して見かけ上だけ上がっているように見せている)。
大切なのは、これから訪れるそういう時代を日本がどう乗り切っていくのかを世界に先駆けて実践していくことだと思います。
個人的には、貧乏でも貧乏臭くなく生きていければなと思っています。
『②全世帯のうち児童のいる世帯は約4分の1である』
こちらは「平成30年 国民生活基礎調査(平成28年)の結果から グラフでみる世帯の状況」に記載があります。
これによると、児童のいる世帯は全世帯の23.4%、平均児童数は1.69人となっています。
以上より、選択肢②は正しいと判断できます。
『③高齢者のいる世帯のうち半数以上が夫婦のみ又は単独世帯である』
こちらについては内閣府のこちらのページに記載がありました。
以下、転載です。
65歳以上の者のいる世帯についてみると、平成28(2016)年現在、世帯数は2416万5千世帯と、全世帯(4994万5千世帯)の48.4%を占めています。
昭和55(1980)年では世帯構造の中で三世代世帯の割合が一番多く、全体の半数を占めていたが、平成28(2016)年では夫婦のみの世帯が一番多く約3割を占めており、単独世帯と合わせると半数を超える状況です。
以上より、選択肢③は正しいと判断できます。
『④要介護者の中で、介護が必要になった原因では、脳血管疾患が最も多い』
こちらについては内閣府のこちらのページに記載がありました。
以下、転載です。
介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(要介護者等)は、平成27(2015)年度末で606.8万人となっており、平成15(2003)年度末(370.4万人)から236.4万人増加しています。
また、要介護者等は、第1号被保険者の17.9%を占めています。
つまり、65歳以上の者の要介護者等数は増加しており、特に75歳以上で割合が高いということですね(当然と言えば当然ですが)。
要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「認知症」が18.7%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、「高齢による衰弱」13.8%、「骨折・転倒」12.5%となっています。
また、男女別にみると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」が23.0%、女性は「認知症」が20.5%と特に多くなっています。
以上より、選択肢④は誤りと判断できます。
『⑤要介護者と同居している主な介護者の約3分の1が悩みやストレスを抱えている』
こちらは「平成30年 国民生活基礎調査(平成28年)の結果から グラフでみる世帯の状況」に記載があります。
「同居している主な介護者の性別にみた悩みやストレスの有無の構成割合」としては、総数では68.9%が「ストレスや悩みあり」となっています。
ちなみに男性では62.0%が、女性では72.4%が「ストレスや悩みあり」となっています。
「同居している主な介護者の性別にみた悩みやストレスの主な原因の割合」を高い順を並べると以下の通りです。
- 家族の病気や介護
- 自分の病気や介護
- 収入、家計、借金等
- 家族との人間関係
- 自由にできる時間がない
- 自分の仕事
- 家事
- 住まいや生活環境
- 家族以外との人間関係
- 生きがいに関すること