薬の知識については、得意不得意が分かれるところかなと思います。
ここでは、精神科で使用される薬剤について簡単にまとめていきます。
病理別に、薬剤名と主な副作用を示します。
【統合失調症に使用されることが多い薬剤:抗精神病薬】
こちらは「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」に分かれます。
◎定型抗精神病薬(主に陽性症状に効きやすい)
- クロルプロマジン(ウインタミン):錐体外路症状、悪性症候群
- ハロペリドール(セレネース):錐体外路症状、悪性症候群
※錐体外路症状:無動、筋強剛、振戦を呈するパーキンソン症候群が代表的。それ以外にも、ジストニア、アカシジアなどが見られる。
※悪性症候群:無動、寡黙、筋固縮、高熱、意識障害、痙攣等の症状。
◎非定型抗精神病薬(陰性症状、陽性症状のいずれにも効きやすい)
- リスペリドン(リスパダール):乳汁分泌、月経異常
- オランザピン(ジプレキサ):体重増加、血糖上昇
- アリピプラゾール(エビリファイ):不眠、不安
【うつ病・強迫症・不安症群に用いられることが多い薬剤:抗うつ薬】
こちらは「三環系」「四環系」「SSRI」「SNRI」「NaSSA」で記載します。
◎三環系抗うつ薬
- イミプラミン塩酸塩(トフラニール):抗コリン作用(口渇、便秘)、起立性低血圧
◎四環系抗うつ薬
- マプロチリン塩酸塩(ルジオミール):抗コリン作用(口渇、便秘)、起立性低血圧
◎SSRI
- 塩酸セルトラリン(ジェイゾロフト):悪心(吐き気のこと)・嘔吐・下痢
- パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル):悪心・嘔吐・下痢
- エスシタロプラムシュウ塩酸(レクサプロ):悪心・嘔吐・下痢
◎SNRI
- ミルナシプラン塩酸塩(トレドミン):尿閉、頻脈
- デュロキセチン塩酸塩(サインバルタ):尿閉、頻脈
◎NaSSA
- ミルタザピン(リフレックス):催眠作用
【双極性障害に使われる薬剤:気分安定薬】
こちらでは「抗躁薬」と「抗てんかん薬」を示します。
◎抗躁薬
- 炭酸リチウム(リーマス):甲状腺機能低下、腎臓の機能障害
◎抗てんかん薬
- バルプロ酸ナトリウム(デパケン):眠気、めまい、悪心
【その他:不安・不眠・てんかん・認知症】
◎抗不安薬
- ロラゼパム(ワイパックス):依存や耐性形成
- ロフラゼブ酸ナトリウム(メイラックス):依存や耐性形成
◎睡眠薬
- トリアゾラム(ハルシオン):ふらつきなど
- フルニトラゼパム(サイレース):ふらつきなど
◎抗てんかん薬
- フェノバルビタール(フェノバール):眼振、イライラ
- フェニトイン(アレビアチン):眼振、イライラ
◎抗認知症薬
- ドネペジル塩酸塩(アリセプト):食欲不振、悪心、嘔吐、下痢