発達検査に関する問題で出されやすいのが、保護者からの聞き取りがOKかNGかという点です。
検査ごとに覚えておくのも良いのですが、聞き取りがありの検査となしの検査をまとめておこうと思います。
検査の中には、原則不可だけどやむを得ない場合は可、みたいなものもあります。
便宜上、そういった検査は「不可」の枠組みに入れてありますので、その辺ご注意ください。
【聞き取り可の発達検査】
◎乳幼児精神発達診断法
- 0歳~7歳まで実施可能。
- 精神発達の過程を「運動」「探索・操作」「社会」「生活習慣・食事・排泄」「言語・理解」の5領域で検査する。
- 結果を発達輪郭表で示すが、発達指数は算出しない。
◎新版S-M社会生活能力検査
- 乳幼児~中学生まで実施可能。
- 項目に従い、養育者や普段関わっている支援者が評定する。
- 社会生活能力を「自立と社会参加に必要な生活への適応能力」と定義し、子どもの日頃の様子から社会生活能力の発達を捉える検査。
- 質問項目は発達年齢段階ごとに分かれていて、129項目で構成されている。
- 「身辺自立」「移動」「作業」「コミュニケーション」「集団参加」「自己統制」の6領域で構成される。
- 社会生活年齢および社会生活指数が算出でき、領域別の社会生活年齢がプロフィールで示されるため、特徴を視覚的に捉えることが可能。
【聞き取り不可・原則不可の発達検査】
◎遠城寺式乳幼児分析的発達検査
- 0歳~4歳7か月まで実施可能。
- 検査者が対象児童に直接実施する。
(自分が知的障害の判定に活用していた時には、保護者から聞き取りしたこともありましたが…) - 「運動(移動運動・手の運動)」「社会性(基本的習慣・対人関係)」「言語(発語・言語理解)」の3分野6領域で診査する。
- 結果をプロフィールに表して発達状況を把握する。発達指数は出る。
◎新版K式発達検査2001
- 0歳~成人まで実施可能。
- 検査者が対象児童に直接実施する。
- 「姿勢・運動領域」「認知・適応領域」「言語・社会領域」の3領域で構成。
- 全領域および上記3領域の発達年齢および発達指数を算出する。
◎K-ABCⅡ
- 2歳6か月~18歳11か月に実施可能。
- 検査者が対象児童に直接実施する。
- Ⅰからの改訂点として、
①カウフマンモデルおよびCHCモデルという2つの理論モデルに立脚している
②認知処理を、継次処理と同時処理だけでなく、学習能力、計画能力の4つの能力から測定している
③適応年齢の上限が18歳11カ月まで拡大された
④行動観察チェックリストが下位検査ごとに設けられている。
◎フロスティッグ視知覚発達検査
- 4歳~7歳11か月まで実施可能。
- 検査者が対象児童に直接実施する。
- その名の通り、視知覚能力を検査する。
- 「視覚と運動の協応」「図形と素地」「形の恒常性」「空間における位置」「空間関係」の5種類の知覚技能のアセスメントが可能。
- 知覚年齢を算出できる。
◎IPTA言語学習能力診断検査
- 3歳~9歳11か月まで実施可能。
- 検査者が対象児童に直接実施する。
- 回路(聴覚音声回路・視覚運動回路)、過程(受容過程・表現過程・連合過程)、水準(表象水準・自動水準)という3つの次元によって言語学習年齢を示す。
- 言語学習年齢・言語学習指数・評価点が算出可能。
◎CARS(小児自閉症評定尺度)
- 検査者が対象児童に直接実施する。
- TEACCHプログラムの実施に際して、小児期の自閉症スペクトラムの子どもをアセスメントするためにSchoplerによって作成された。
- ASDの行動特性・症状特性についての15項目から評定される。