第2回公認心理師試験のブループリントが公開されましたね(以下のファイルになります)。
第2回公認心理師試験「出題基準」(ブループリント(公認心理師試験設計表)を含む)
まず各領域の「出題割合」に変更はありません。
細かい箇所の変更は以下の通りです。
長くなりますが、すべて記載しました。
①公認心理師としての職責
(1)公認心理師の役割
- 「多職種連携・地域連携」の削除
④心理学・臨床心理学の全体像
(1)心理学・臨床心理学の成り立ち
- 「構成主義」を「要素主義」に変更し、「ゲシュタルト心理学」等と併記。
(2)人のこころの基本的な仕組みとその働き
- 「知覚」を「感覚、知覚」に変更
⑤心理学における研究
(1)心理学における実証的研究法
- 「実験法、調査法、観察法、面接法」を「実験法、調査法、観察法、検査法、面接法」に変更(検査法を追加)
- 「事例研究、量的研究、質的研究」を「実践的研究」にまとめる形に変更
(2)心理学で用いられる統計手法
- 「分散分析、因子分析、重回帰分析、多変量データ解析、マルチレベル分析、メタ分析」を「分散分析、因子分析、重回帰分析、構造方程式モデリング、多変量解析、メタ分析」に変更(構造方程式モデリングを追加、多変量データ解析を多変量解析に変更、マルチレベル分析を削除)
(3)統計に関する基礎知識
- 「尺度水準、度数分布、代表値、散布度、相関係数、回帰分析、確率分布」を「尺度水準、度数分布、代表値、散布度、相関係数」に変更(回帰分析を削除、確率分布は別項目に変更)
- 「仮説検定、区間推定、ノンパラメトリック検定」を「検定、点推定、区間推定、ノンパラメトリック検定」に変更(仮説検定を検定に変更、点推定を追加)
- 「確率分布、標本分布」を追加
⑥心理学に関する実験
(1)実験計画の立案
- 「文献研究、仮説、目的、手続」に「リサーチクエスチョン」を追加
(2)実験データの収集とデータ処理
- 「実験、調査、観察、検査、面接」を「実験法、調査法、観察法、検査法、面接法」に表記変更
⑦知覚及び認知
(1)人の感覚・知覚の機序及びその障害
- 「体性感覚、自己受容感覚、味覚、臭覚、触覚、多感覚統合」を「味覚、嗅覚、触覚」と「体性感覚、自己受容感覚、多感覚統合」に分割(臭覚を嗅覚に文字変更も)
- 「注意、意識、失認」から「失認」を削除
(2)人の認知・思考の機序及びその障害
- 「問題解決」を「思考、問題解決」に変更
- 「意思決定」を追加
⑧学習及び言語
(1)人の行動が変化する過程
- 「初期学習」の中の「臨界期〈敏感期〉」の表記を「臨界期」のみに修正
- 「古典的条件づけ(対呈示強化、消去)、オペラント条件づけ(強化、三項随伴性、報酬、罰)」を「古典的条件づけ、オペラント条件づけ」に変更(括弧書きの部分を削除)
- 「般化、弁別、転移、実験神経症」を「般化、弁別、転移」に変更(実験神経症を削除)
- 「社会的学習[観察、モデリング、自己効力感]」を「社会的学習(観察、モデリング)」に変更(自己効力感を削除)
(2)言語の習得における機序
- 「意味論、語用論、統語論」に「音韻論、形態論」を追加
⑨感情及び人格
(1)感情に関する理論と感情喚起の機序
- 「感情の生物学的基礎」と「感情の神経生理学的機序」を「感情に関する神経科学」に統合
- 「精神力動理論、認知評価理論、構成主義理論、次元論、基本感情論」から「精神力動論」を削除
- 「感情の進化」「感情の機能」「感情、情動、気分」を追加。
- (2)に記載されていた「個別の感情」を移動
- 「感情と動機づけ」を削除
(2)感情が行動に及ぼす影響
- 「感情の制御」「感情と動機づけ」「感情と情報処理」を追加
(3)人格の概念及び形成過程
- 「パーソナリティ、性格、気質、自己特性論、状況論、相互作用論、社会的認知理論、一貫性論争(人間-状況論争)」を「人格、パーソナリティ、性格、気質」(人格を追加)と「状況論、相互作用論、社会的認知理論」と「一貫性論争(人間-状況論争)」に細分類化
(4)人格の類型、特性
- 「類型論、特性論、5因子モデル」を「類型論、特性論」と「5因子モデル」に細分類化
- 「パーソナリティ検査、個人差、アセスメント、測定」に「検査、個人差、アセスメント、測定」に変更
⑩脳・神経の働き
(2)記憶、感情等の生理学的反応の機序
- 「意識」と「知覚、記憶、感情」を「意識、知覚、記憶、感情」に統合
⑪社会及び集団に関する心理学
(1)対人関係並びに集団における人の意識及び行動についての心の過程
- 「コミュニケーション、社会的スキル」に「対人ストレス」を追加
- 「親密な対人関係」を追加
- 「社会的影響、社会的促進、社会的抑制」を「社会的影響」に統合
- 「対人関係、対人魅力、対人行動」を削除
- 「社会的アイデンティティ、社会的ネットワーク」に「社会的ジレンマ」を追加
- 「紛争、葛藤、和解、社会的ジレンマ」を削除
- 「集団内過程、集団間過程」「ソーシャルネットワーク、ソーシャル・サポート」「集合現象」「集団、組織」を追加
(2)人の態度及び行動
- 「社会的自己、自己過程、態度」と「帰属」を統合
- 組み換えを行い「社会的感情、社会的動機」と「社会的認知、対人認知、印象形成、社会的推論」という枠組みに変更
- 「対人行動、対人的相互作用」を追加
(3)家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響
- 「結婚、夫婦関係」に「家族関係」を追加
- 「不適切な養育(虐待、ネグレクト)」を「不適切な養育(虐待など)」に修正
- 「異文化適応」に「異文化間葛藤」を追加
⑫発達
(2)自己と他者の関係の在り方と心理的発達
- 「不適切な養育(虐待、ネグレクト)」を削除
⑭心理状態の観察及び結果の分析
(1)心理的アセスメントに有用な情報(生育歴や家族の状況等)とその把握の手法等
- 「半構造化面接、インテーク面接」を「半構造化面接」と「インテーク面接」に細分類化
(4)心理検査の適応、実施及び結果の解釈
- 「実施上の留意点」を追加
⑮心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助)
(1)代表的な心理療法並びにカウンセリングの歴史、概念、意義及び適応
- 「構成主義」を削除
(2)訪問による支援や地域支援の意義
- 「アウトリーチ(訪問支援)」を「アウトリーチ(多職種による訪問支援)」に変更
- 「地域包括ケアシステム」を追加
- 「コミュニティ・アプロ―チ、コンサルテーション」を追加
(3)要支援者の特性や状況に応じた支援方法の選択、調整
- 「カウンセリング、逆転移」に「転移」を追加
- 「エンパワメント」を追加
- 「ナラティブ・アプローチ、ストレングス」を追加
⑰福祉に関する心理学
(1)福祉現場において生じる問題とその背景
- 「知的障害、身体障害」に「精神障害」を追加
(2)福祉現場における心理社会的課題と必要な支援方法
- 「愛着形成の阻害、基本的生活習慣の未熟さ、誤学習、衝動制御困難、感情調節困難」から「基本的生活習慣の未熟さ」の削除
- 「ケアマネジメント、介護」の削除
⑱教育に関する心理学
(1)教育現場において生じる問題とその背景
- 「不登校、いじめ、非行」の追加
- 「教師-生徒関係」の追加
- 「プログラム学習」の追加
- 「セルフモニタリング」の削除
- 「不登校、学級崩壊、いじめ、非行」から「学級崩壊」の削除
(2)教育現場における心理社会的課題と必要な支援
- 「学業不振」を削除
- 「学習障害(LD)」を追加
- 「教育関係者へのコンサルテーション、アセスメント」を「教育関係者へのコンサルテーション、学校におけるアセスメント」に変更
- 「教育評価」を追加
⑲司法・犯罪に関する心理学
(2)司法・犯罪分野における問題に対して必要な心理的支援
- 「非行・犯罪の理論」の追加
- 「非行・犯罪のアセスメント」の追加
- 「施設内処遇と社会内処遇」の追加
- 「司法面接」の追加
⑳産業・組織に関する心理学
(1)職場における問題に対して必要な心理的支援
- 「過労死、ハラスメント」に「労働災害」を追加
- 「リワーク、キャリアコンサルティング、ストレスチェック制度」と「障害者の就労支援」を統合
- 「ポジティブ心理学」を削除の上「ワーク・エンゲイジメント」を追加し、「ダイバーシティ、ワークライフバランス、両立支援(仕事と家庭、治療と仕事)、ワーク・エンゲイジメント」とする
㉑人体の構造と機能及び疾病
(1)心身機能、身体構造及びさまざまな疾病と障害
- 「人体の正常構造と機能」を削除
- 「解剖学、生理学」を追加
- 「主要な疾病」を削除
㉒精神疾患とその治療
(1)代表的な精神疾患の成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援
- 「アドヒアランス」の追加
㉓公認心理師に関係する制度
(2)福祉分野に関する法律、制度
- 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉」に「障害福祉計画」を追加
- 「障害者基本法」の追加
- 「更生保護施設、地域生活定着支援センター、自立援助ホーム、自立更生促進センター」を追加
以上です。
新たに追加された内容等をきちんと把握しておきましょう。