2019年度の問題を踏まえて分類表を作り変えました。
こちらからダウンロード可能です。
ご活用ください。
各領域に関しての感想等は以下の通りです。
【公認心理師の職責】
例年(と言っても昨年度の2回の試験)よりも公認心理師法に関する問題の出題が見られました。
難易度はそれほどでもありません。
個人情報やSVは毎回出題されている事項となっています。
対して、養成に関する問題は今年度が初出でしたね。
【心理学・臨床心理学の全体像】
ほぼ例年通りという印象です。
BPSモデル自体に関する問題は初めてでしたね。
社会構成主義が事例に組み込まれて出題されていました。
こちらは2018年度の問題よりも解きやすかったですね。
【知覚・認知】
出題数は例年通りですね。
運動の知覚に関しては、細かい概念が出たと感じます。
【学習・言語】
般化や学習性無力感の問題が出ました。
基本的な内容でしたね。
【感情・人格】
気質に関しては細かい事項の把握が求められていました。
感情混入モデルの問題は個人的には難しかったと思っています。
【脳神経】
視床下部らへんの事柄は毎年問われていますね。
シナプスに関する内容は基本的ではありますが、細かくてややこしかったです。
【社会・集団】
対人魅力のように解きやすい問題もありましたが、細かい概念を問う問題もありましたね。
傍観者効果は過去問にもありました。
【発達・障害児(者)】
あまり一般的ではない概念の出題が見られました。
各発達段階で起こる変化はしっかりと押さえておきたいところです。
【人体の構造・その他】
糖尿病やナルコレプシーなどの具体的な疾病からの出題が多かったです。
この辺をカバーできてなかった人も多かったのでは、と思います。
【精神疾患】
DSMの理解と各向精神薬の副作用の理解は必須ですね。
依存症の問題は何かしら形を変えて必ず出題されているのが印象的です。
緊張病が出たり、どの障害が出やすいという予測が立ちにくいのが正直なところです。
DSMに特化した確認テストを作ろうと思っています。
なぜか今年は認知症関連が少なかったです。
【医療・法律】
ストレス、心身症は必ず出題されています。
医療における心理師の役割を問われる問題も見られました。
サイコロジカル・ファーストエイドの出題はありませんでしたね(昨年度はあんなに出たのに)。
【福祉・法律】
虐待関連は法律も含めて必修と言えるでしょう。
DVに関する理解を問う問題がありましたね、今年は。
ブループリントにある法律はやはりしっかり覚えておいた方が良さそうです。
障害者差別解消法、生活困窮者自立支援法が初出です(ブループリントには記載あり)。
【教育・法律】
心理学というよりも教育学からの出題が目立ちました。
評価論やプログラム学習などですね。
心理学と教育学は比較的近い学問でしょうから、学びやすいとは思います。
出席停止措置に関する理解が問われるなど、そこで働くなら知っておかねばならない事項が問われやすいのは当たり前と言えるでしょうね。
【司法・法律】
非行に関する理論は、臨床心理士試験などではほとんど出題されていないのですが、公認心理師では出題される傾向にあるようです。
しっかりと押さえておきましょう。
【産業・法律】
ストレスチェックは必須ですね。
産業医の役割など、関わる専門家の立場等も理解しておく必要があります。
過労死ラインを踏まえた対応も求められています。
【統計・研究】
要因、帰無仮説、変数といったかなり基本的な内容が問われていました。
難しい用語に惑わされないようにしておきたいところです。
【査定】
こちらの分類表ではかなり細かく表記するようにしています。
2回出題があったものは項目を設けるようにしています(たぶん)。
重要なのは「何が出題されているのか」がわかることです。
分類表を覚えるだけでも勉強になると良いなと思っています。
質問紙は各障害をスクリーニングするタイプの出題が多かったです。
知能や発達に関しては、かなり細かい概念まで出た気がします。
それにしても投影法が出ませんね。
解釈が主観的になりやすいからでしょうか。
ここまで出ないのも実態と乖離が大きすぎる気もするのですが。
【心理療法】
毎回の「関与しながらの観察」以外は、集団療法、フォーカシングなどが順次出ているような印象です。
まだ出題のない領域も油断してはいけないでしょう。
睡眠に関する心理教育が2問ほど出題されています。
こちらは認知行動療法の枠組みではなく、心理教育の枠組みにしておきました。