公認心理師 2018追加-55

児童福祉法で定められている児童福祉施設として、正しいものを2つ選ぶ問題です。

こちらについては以前の記事でまとめていましたので、ご参照ください。
児童福祉法は、児童福祉に関して「こういうことができるよ」ということが概ね規定されている法律になります。
児童福祉全体の根拠法という印象です。

実に多くの機関について定められていますので、きちんと押さえておきましょう。

解答のポイント

児童福祉法で定められている各機関について把握していること。
それ以外の選択肢の機関の根拠法を把握していること。

選択肢の解説

『②乳児院』
『⑤母子生活支援施設』

児童福祉法第7条には以下のように記載があります。
「この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする」

乳児院については、児童福祉法第37条に以下のように記されています。
「乳児院は、乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする」

母子生活支援施設については、児童福祉法第38条に以下のように記載されています。
「母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする」

上記の通り、児童福祉施設として乳児院と母子生活支援施設の規定とその役割が定められております。
よって、選択肢②および選択肢⑤が正しいと判断できます。

『①少年院』

少年院法第3条に「少年院は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し矯正教育その他の必要な処遇を行う施設とする」とされており、以下が定められています。

  1. 保護処分の執行を受ける者
  2. 少年院において懲役又は禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項各号の共助刑を含む。以下単に「刑」という)の執行を受ける者

以上のように、少年院の根拠は少年院法になります。
よって、選択肢①は誤りとなります。

ちなみに少年院法については2015年の改定によって、少年院種別に変更がなされています。
この点については公認心理師2018-106に記載がありますので、ご参照ください。

『③教育相談所』

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第30条において以下のように規定されています。
「地方公共団体は、法律で定めるところにより、学校、図書館、博物館、公民館その他の教育機関を設置するほか、条例で、教育に関する専門的、技術的事項の研究又は教育関係職員の研修、保健若しくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる」

教育研究所は上記の法律条項を根拠としており、都道府県及び市町村が設置し、教育委員会が管理をすることになっています
教育相談所の業務として、教員研修、専門的研究、教育相談等の活動が定められています。

教育相談所については、各教育委員会でホームページなどがあり、詳しい相談内容が載っているところもありますね。
例えば、青梅市教育委員会のページなど。

以上より、選択肢③は誤りと判断できます。

『④児童相談所』

児童福祉法第12条には「都道府県は、児童相談所を設置しなければならない」とされており、それ以降の条項にはその条件等が整えられております
乳児院や母子生活支援施設と同じ児童福祉法を根拠法としておりますが、児童相談所は児童福祉施設という枠組みではありません

児童福祉法第12条に基づき、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関となります。
すべての都道府県および政令指定都市に最低1以上の児童相談所が設置されており、都道府県によってはその規模や地理的状況に応じて複数の児童相談所およびその支所を設置しています。
(※2006年4月から、中核市にも設置できるようになりました)

以上より、選択肢④は誤りと判断できます。

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