Kohlbergの道徳性の発達段階

今日はコールバーグの道徳性の発達段階についてです。
今のところ、資格試験には出ていませんね。

ローレンス・コールバーグは、アメリカの心理学者で、道徳性発達理論の提唱者として有名です。
コールバーグの本は複数出ていますが、絶版になっていることが多いですね。
こちらなどが参考になります。

近年、道徳教育が授業でなされることが義務化されています(SCをやっていると授業で求められますよ)。
カウンセラーとして道徳性についてしっかりと理解しておくことは大切なことだと思います。

コールバーグが提起した「道徳性発達理論」は、人間の道徳的判断に注目し、その判断が下記のような3つのレベルと6つの段階をもつというものです。
以下の通りです。

【前習慣的水準】

道徳的価値は外的・物理的な結果や力にある水準を指します。
ステージ1:罪と服従への志向;罰の回避と力への絶対的服従と行為の結果が重要な意味を持つ。
ステージ2:道具的功利的相対的志向;正しい行為は、自分自身や他者相互の欲求や利益を満たすものとする。物理的有用性。

【慣習的水準】

道徳的価値は良い・正しい役割を遂行することであるという水準を指します。
ステージ3:対人的一致・よい子への志向;他者から承認がもらえるか否かが重要。
ステージ4:社会秩序への志向;行動の決め手は社会秩序に従うか否か、特権者(親や上司など「上の人」)に承認されるか否か

【脱慣習的水準】

自己の原則を維持することに道徳的価値をおく水準です。
ステージ5:社会契約的遵守法的志向;自分たちのためにある、変更可能なものだと理解する。
ステージ6:普遍的論理的原則への志向;正しい行為とは良心の原理(倫理的原則)に則り、法を超えて行為することができる。

ちなみに、コールバーグはうつ病の苦痛から病院での療養中に投身自殺しています。
彼はアメリカの人ですから、自殺に対して罪の意識があった可能性があります(必ずしもキリスト教とは限らないので、わかりませんけど)。
そのことが、彼の道徳性発達の理論においてどのような意味を持ったのか、それを考えておくことも、もしかしたら大切なことなのかもしれませんね。

個人的に道徳の書籍でお勧めなのが内田樹先生の「道徳ってなに?」になります。

一部を抜き出すと以下のようなことが書いてあります。

「道徳的なふるまいにおいて大切なことは、「その気遣いが人に知られないようにする」ことです」
「道徳的であるということは、ひとことで言ってしまうと、「だれかが引き受けなければならない仕事があるとしたら、それは私の仕事だ」という考え方をすることです」
「ハッピーな人生を送っていればいいんです。…そういう風に思えたら、どんな時も、自然に「あ、お先にどうぞ」って言えると思うんです」

内田先生の道徳に関する考え方は、私にはとても馴染むものです。
興味のある方はチェックしてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です