神経発達障害群:DSM-Ⅴ

Ⅴに改訂されてかなりの編成が行われた神経発達障害群ですが、きちんと把握しておかなければマズイな、という実感がありますのでまとめておきます。
ここでは、全体のカテゴライズと、ASD、ADHDについて変更点のみをまとめていきます。

【神経発達障害群の新設】

下図の通りですが、以下のようにカテゴライズし直されています。
大カテゴリー:神経発達障害群
中カテゴリー:知的障害、コミュニケーション障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、限局性学習障害、運動障害、その他
※これらのカテゴライズ自体を問う問題は出しやすいように思います。

この大枠で重要そうなのが、以下の変更でしょうか。
①広汎性発達障害が「自閉症スペクトラム障害」に変更。
②ADHDが加わる。
③コミュニケーション障害の新設。
④細かな名称変更:精神遅滞が知的障害に、「限局性」が学習障害に付される等。
⑤レット障害の除外:遺伝子の発見。

【自閉症スペクトラム障害:ASD】

A:複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における持続的な欠陥
※Ⅳ-TRの「対人相互反応の質的な障害」と「コミュニケーションの質的障害」が統合。

B:行動、興味、または活動の限定された反復的な様式

C:症状は発達早期に存在していなければならない
※3歳以前から変更された。

重症度(ディメンション)判定:レベル1~レベル3の導入。

該当すれば特定:知的障害の有無、言語障害の有無など。

【注意欠如/多動症:ADHD】

A:「不注意」「多動性および衝動性」の存在。
6つが6か月持続していること。
17歳以上では5つ以上が6か月間存在していること。

B:「不注意」または「多動性および衝動性」の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していた。
※以前は「7歳まで」だった。

上記以外にも、ASDとの合併診断が可能になったというのも大きな変更点である。

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