知能のまとめ

知能について歴史的な流れをしっかり押さえておかないといけないなと、臨床心理士の過去問等を解いていて思います。
簡単にまとめておきました。

知能という表現が心理学の中で取り上げられるようになったのは、ハーバード・スペンサーが「知能の原理」という書物を著してからです。

  • 知能とは精神的な順応性という考え方(適応能力説)
  • 知能とは教育可能の範囲、程度とそのスピードや効率(学習能力説)
  • 知能とは抽象的なこと(ことば、文字など)を考える能力

知能を測る「ものさし」があると便利だと考えられるようになり、アメリカの心理学者キャッテルが「精神検査」と名付けたものが最初となります。
パリ教育委員会は、知能程度が大体等しい学童を集めて学級を編成すれば教育効果が上がると考え、ビネーにその方法を依嘱していました。
そういった経緯があり、ビネーが知的障害者の鑑別法を編み出そうとしたわけです。
  • ビネーは精神医学者シモンと協同で、自分の考えた検査問題を多くの児童にやらせてみたところ、ある問題では正答する子どもが多いのに、ある問題ではそれが減ってくることに気が付いた。
  • 正答率の高い問題から難しい問題を順番に並べ、どれだけ正確に答えられるかを見れば子どもの知能が測れると考えた。
  • ビネーとシモンは上記の問題を選定し「知能検査」を作り上げた。これが最初の知能検査法で1905年のこと。

【知能の構成因子】

◎スピアマンの「二因子モデル」:知能の因子分析を始めて実施

小学生の成績の分析から、各学科に共通する因子と個別の学科の課題に固有の因子があると考えた。
 一般因子:一般的で基本的な知能因子
 特殊因子:固有の知能因子

◎サーストンの「多因子モデル」

大学生と中学生の知能検査の分析から、知能は8~10の比較的独立した機能から構成されていると考えた。
数、知覚の速さ、空間、言語、記憶、帰納(推理)、語の流暢性という7つの構成因子に分けた。

◎ギルフォードの「知能構造モデル」

知能が情報処理機能であるという観点から、「内容・操作・所産」の3次元知能構造モデルを提唱した。
 内容:情報の種類や型などの内容の事で、4種類の因子から成る
 操作:情報処理の心的操作の事で、5種類の因子から成る
 所産:操作した結果や概念形成の事で、6種類の因子から成る。
知能因子は4種類×5種類×6種類=120種類からなるとした。

◎キャッテルによる「流動性知能・結晶性知能」

知能は、遺伝的に備わっている資質的なものと、それが発達し開花した状態の両方を持っていることを前提とした。
ヘッブは、知能の生得的側面を「知能A」と呼び、発達水準を「知能B」と呼んだ。
キャッテルは一般的知能が、以下に分けられると考えた。
結晶性知能:文化や教育による過去の経験や学習の影響を強く受けて発達し、言語性のテストに反映される
流動性知能:文化や教育の影響が少なく、非言語性のテストに反映される。加齢とともに低下する傾向がある。

◎スタンバーグによる知能の「鼎立(ていりつ)理論」(三頭理論)

知能を「人の生活に関連した現実環境に対する目的的適応、その選択及び形成に向けられた心的活動」であると考え、以下の三つのバランスを重視。
  1. コンポーネント的/分析的能力:知能の構造を示し、結晶性知能と流動性知能についての理論
  2. 経験的/創造的能力:新しい状況や課題に対処する能力の理論と、情報処理を自動化する能力の理論
  3. 実際的/文脈的能力:知的行動が社会文化的文脈によってどのように規定されるかの理論

◎ガードナーによる「多重知能」

ガードナーは「人は皆それぞれ一組のMultiple Intelligences(多重知性)を持っており、少なくとも8つの知的活動の特定の分野で、才能を大いに伸ばすことが出来る」と考え「多重知能(MI理論)」を提唱した。

MI理論によると、個人があるインテリジェンスを使うことに「より多くの時間をかけるほど、そして、指導と教材が良ければ良いほど、その人は賢くなる」と考える。
教育では、生徒に「自分は何者であり、何ができるか」を理解されることが重要と捉える立場になる。
要は向き不向きにあった指導が重要ですよ、ということ。
適正処遇交互作用と似ている感じがありますね。

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